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0:01:Espanistan『エスパニスタン』 | 0:04:住宅バブル (製作:アレシュ・サロー) |
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0:06【顔がスペインの国の形をしたお父ちゃんがベッドに寝そべる】 2011年。ドンチャン騒ぎの果てに、案の定、スペインはひどい経済的な「二日酔い」で苦しんでいる。 この国はギタギタのズタズタにされたのだ。 「フアァー…」 |
0:23【かつての様々なぜいたくと金満ぶりが浮かび上がる】 それにしても、何でこんなことになったんだ? 「ええと…」 覚えてないのかい? 「よくわからねえ…」 じゃあ、思い出させてあげよう。 その歴史はこう呼ばれるんだ。 |
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0:30【スペイン語のladrilloは「レンガ」や「建築物」の意味。】 あの汚泥のドロドロから … 出でよ、建物! |
0:40【テニスラケットを持つホセ・マリア・アスナール首相。】 1998年のこと、アスナール首相がテニスをしようと |
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0:44【雷に打たれるホセ・マリア・アスナール。】 歩いていたところ・・・、 |
0:47【「€」マークを頭に載せた「神」。】 突然ネオリベラリズムの神が現れた。 |
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0:50【「神」がアスナールに与えた十戒ふうの石版に書かれるのは「LEY DE
SUELO(土地法)】 初めてのお告げは「新土地法」。 |
0:54【シナイ山のモーゼのように石版を掲げるアスナール。背広姿の人々の歓声。】 この法は土地市場の私営化を推し進めるものであった。 それは広められ、ありとあらゆる政治党派が治める大小の地方自治体から、熱狂的に支持された。 |
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1:02【「RÚSTICO(田舎の土地)」の看板。】 その公式は単純だ。 |
1:03【「URBANIZABLE(開発可能)」+カネにつられる企業主⇒多くの集合住宅】 開発可能な土地を拡大させれば、住宅開発が企業主にとって儲けの多いビジネスに変わる。 投資が増やされ多くの住宅が作られるだろう。 |
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1:10【⇒多くの集合住宅⇒下がる住宅の値段⇒自宅を持つ若夫婦】 そして供給が増えるにつれて値段が下がり、若い人々も自宅を買うことができるだろう。 |
1:18【花、虹、一角獣、ハート、若夫婦。「Spanish Dream」の文字。】 ついにこの国のみんなが永遠に幸せな楽園に住むという夢が実現したのである。 |
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1:28【時が2002年に進む。住宅建設が進む。】 ウーム、どうやらそのとおりにはならなかったようだ。2002年まで進んでみよう。 このときまでに住宅建設のペースは急激に上がっていた。 |
1:37【アスナールが再び雷に打たれる。】 この年に、アスナールに新たに |
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1:42【「€」の神が「REFORMA
LABORAL(労働改革)」と書かれた新しい石版を渡す。】 「労働改革」をせよとのお告げがあった。 |
1:44【一人の労働者を縛って働かせる経営者。】 その戦術は見慣れたものだった。 |
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1:47【一人の労働者を縛る経営者⇒大勢の小さな労働者⇒下がる失業率のグラフ】 労働者の権利を小さくすれば、経営者にとってより魅力的な労働契約ができる。 そのため、もっと多くの人を雇うから、失業が減るだろう。 |
1:54【INSTITUTO(専門学校)から大勢の人が喜んで飛び出す。】 こうして技術労働者の求人が急増し、数多くの若者がさっさと学校を飛び出して建設関係の職についた。 |
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2:00【港に着いた船から外国(アフリカ、中南米)の移民たちが下りてくる。】 同様に外国からも大勢の人々がやってきた。 |
2:04【「Spanish Way of
Life」の文字。家を持って喜ぶ人。】 彼らは皆、幸福に満ちて「家を買う」というスペイン風の生き方を経文のように唱えた。 |
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2:09【住宅を神の台座に祭り上げる2人の女性。】 家を持つことは流行だ。一戸建ての家は君の義兄弟たちを死ぬほど嫉妬させるだろう! |
2:14【賃貸アパートでの貧しい生活に大きくペケ。】 貸し部屋に住む貧弱な生活をやめよう。 |
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2:16【€マーク舞台の幕が開いて大きなレンガ(住宅を意味する)が登場。】 レンガ(家)に投資しなければ税金も安くならないぞ。 |
2:19【dinero negro(黒いカネ)を持つ人物。】 未申告の収入を「洗浄」する問題ですか? |
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2:21【その黒い金が家を通して白くなる。】 ご心配なく。住宅があなたのお金を清浄にしてくれる。 |
2:24【LEY DE
SUELO(土地法)と書かれた石板。「FAIL(失敗)」。】 奇妙なことに、この土地法は予想されたような成功をもたらさなかった。 |
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2:29【田舎の土地 ⇒ 開発可能 ⇒ 住宅 ⇒
人々、 住宅価格↑、開発可能な土地の値段↑、住宅価格さらに↑。】 住宅の需要が高まるにつれてその値段は上がった。 それはまた土地の値段の上昇も招いた。 潜在的な利益がその機能を果たしたのだろう。 そしてそれが住宅価格をもっと押し上げることになった。 |
2:39【値段の上がった土地と住宅にハゲタカが群がる。】 その利益の周辺に慈悲深い投機屋たちが群がったことは言うまでもない。 |
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2:45【1998年に1平米1089€だった住宅価格が1667€に。】 その結果、わずか4年で住宅価格は急上昇した。 |
2:49【2005年に時が進み、住宅がどんどん建てられる。】 【スペイン > フランス+ドイツ+イタリア】 2005年までに、バブルはすでに急速に進行していた。 スペインは1年間にフランスとドイツとイタリアを合わせたよりも多く資産を増やした。 |
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2:56【自然のままの海岸が・・・】 この何の街も無い海岸を見てみよう。…。 |
3:00【たちまちビル群で埋まる。】 ああ、これでいい。 |
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3:02【リスのいる森。】 そしてこののどかな森は?ああ、かわいいリスだ。…。 |
3:07【パワーショベルでリスが追い払われて・・・、】 出て行け、リスめ! |
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3:08【住宅が建ち並ぶ。】 進歩よ、いらっしゃい! |
3:11【スペインのP.I.B.(国内総生産)がどんどん伸びる。】 建設というエンジンのおかげで経済は成長し続け、 |
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3:11【得意げなサパテロ首相。頭には「愚か者」を象徴する漏斗。 「¡¡Estamos en la Champion lij!!(我々はチャンピオン・リーグにいる!)」】 みんなが「スペインの奇跡」を叫ぶようになった。 |
3:19【学者が「I+D(innovation &
development新たな研究と開発)」を問うと、】 誰かが「新たな研究と開発のために投資してはどうだ?」などと言おうものなら、 |
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3:24【トマトが投げつけられる。】 「黙れ!」「出て行け!」 |
3:28【GOOGLEの男たち】 それは我々の経済における奇跡であった。 その間、米国式成功モデルはGoogleであり、 |
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3:32【EL POCERO(スペイン屈指の大富豪)】 皆がPaco El Poceroのような大富豪になることを願った。 |
3:36【住宅の値段は2005年に1平米2516€に。】 そして住宅の値段は雲つくばかりに跳ね上がった。 |
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3:41【叫ぶ人物】 「でも、少なくとも俺たちには仕事があったんだ」。 |
3:44【失業率のグラフ(I.N.E.国家統計局による)】 確かに、失業率は記録的に下がっていった。 |
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3:49【住宅は2倍に、給料は変わらず。】 ところがその間に、住宅価格は2倍以上になっており…、労働賃金はというと…、 |
3:53【氷付けになった男】 ウォルト・ディズニーよりも凍りついていた。 |
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3:56【2005年の平均給与の各国比較グラフ:(上から)ドイツ、英国、ベルギー、フランス、一番下がスペイン。】 最も繁栄した我が民主主義時代に…、 |
4:00【そのスペイン(20438€)が残り、SUERDO DE
MIERDA(クソ給料)の文字と糞の絵。】 大多数の者たちはSDM、つまりクソ給料を手にしていたのだ。 |
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4:05【質問をする人物】 「でも…、住宅の値段が高くて給料が同じなら、なぜ人々は住宅を買い続けたんだ?」 |
4:13【「TU AMIGO DE
BANCO(銀行というお友だち)」の文字】 そう、そこに登場するのが・・・ 「銀行というお友だち」なんだ! |
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4:15【ピエロの格好をした銀行員。「CAJA MORCILLO, CRÉDITO A
PORRILLO(貯蓄銀行、しゃべりまくれど聞く耳持たず)」と書かれる。】 銀行と貯蓄銀行はこのチャンスを逃さなかった。 そして融資の条件を緩め始めた。 |
4:21【貧乏ななりをした男。帽子をかぶった亀がはい出てくる。】 「やあ、俺のクソ給料じゃ、カネが貯まるのは亀公より遅い んだが…。」 |
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4:25【「CRÉDITO
CONCEDIDO(ノンリコース・ローン:支払い能力を超えるローン)」のハンコ。】 「住宅ローンが用意されています。ご心配なく!」 |
4:27【貧乏人の男が骸骨になるまでのローン】 あなたのローン期間を40年に延ばせば、支払いをカバーできるはず…。 |
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4:32【PRECIO(価格)、INVERCIÓN(投資)、BENEFICIO(利益)】 もしローンを払えなくなるときが来たとしても、住宅価格は上がり続けます。あなたが家を売りさえすれば、投資分を取り戻すばかりか、利益分のお金が手に入るんですよ。 |
4:38【説明する銀行員】 よく覚えていてくださいよ・・・。住宅の値段が・・・ |
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4:40【銀行員の姿が不気味に大きくなる。】 下がることは・・・ありえない・・・。 |
4:45【貧乏人の男の周りに、多くのぜいたく品が現れる。】 そのうえ、あなたがローンをもっと使えば、自動車、客船での旅行切符、大型画面のテレビ、Iフォンなども手に入るだろう…。 |
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4:51【SDM(sueldo de mierdaクソ給料)、DPM(de puta
madreイカす:下品な表現だが肯定的な意味)、高級車に乗る男】 こうして史上初めて、クソ給料でイカす生活ができるようになったのかもしれない…。 「オレは金持ちだァ!」 |
4:59【1平米の住宅価格が2007年には2905€に。】 2007年、空恐ろしい光景に出くわすことになる。 |
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5:06【Caja de
Ahorro(貯蓄銀行)、Empresas(企業)、Administraciones
Públicas(公的機関)、Familias(家庭)】 役所や家庭や企業の借金は巨大に膨れ上がっていた。 |
5:10【Banca
internacional(国際的な金融システム)から貯蓄銀行へのカネの流れ】 貯蓄銀行が他の金融機関から行う借金も、同様に膨大な額となっていた。 |
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5:14【カネの袋に埋まるスペイン、未来の世界からカネの袋をかついだ女性が時空の壁の穴を通ってやってくる】 国全体が打ち出の小槌を手に入れ、未来の世界のカネを好き放題に手に入れた。 |
5:19【左側:Causa(原因)、CREACIÓN DE
RIQUEZA(価値、資産の創造)。右側:Efecto(効果)、CRECIMIENTO(成長)。】 言い換えると、決して、資産を作る我々の能力が経済成長をもたらしたのではなく、 |
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5:23【黄色と青の丸がその位置を変え、】 逆に、資産を作り出したのは経済成長自身であり、 |
【左側にOrigen(起源)、DEUDA(借金)と書かれた赤い丸。】 そしてその経済成長は単に借金のおかげでのみ存在しえたのだ。 |
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5:29【2008年、狭く電気も途切れがちな住宅に住む夫婦の姿】 2008年。住宅の値段はとんでもなく高く、一部の人々は40年ローンでも穴倉のような家にしか住めなくなった。 |
5:35【サパテロ首相が冷や汗を流して震えている。】 誰かがこんな狂気を止めなければならなかったのだが、誰もどうしていいのか分からなかった。 |
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5:39【音楽の演奏】 スペイン全体がタイタニックのオーケストラの状態で、 |
5:42【沈むタイタニック】 船が沈んでいくのを止めることができないままに、曲を奏で続けていた。 |
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5:48【核兵器の爆発】 そしてついに、米国での信用危機の爆発が世界中を急速に汚染していった。 |
5:54【椅子の上にはサボテンの鉢が座る。サボテンは「CAJA MORCILLO(貯蓄銀行)、
Habla mucho que no te escucho(しゃべりまくれど聞く耳持たず)」を体現している。】 一夜にして銀行は金を貸すのをやめてしまった。 |
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5:57【DEUDA(国債や地方債など)を拒否する手。】 投機屋たちは公債を買うことを拒否し、 |
5:59【CRISIS(経済危機)が人々を襲う。】 パニックが急激に膨らんだ。 |
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6:02【銀行からのカネの流れが止まる。】 誰もカネを貸さなくなり、ドミノ効果で消費は冷え込み、 |
6:04【「%PIB」はGDP比の意味。】 経済は縮小した。 |
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6:07【INEM(職業事務所)に人々が行列を作る。】 企業は大量の解雇を開始し、 |
【EJECCIÓN DE LA HIPOTECA(抵当権の行使)】 失業者の家族はローンの支払いができずに自宅から追い出された。 |
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6:13【未来からの女性が、スペインからカネを脅し取る。】 何たることか、我々からカネを盗んでいるのはあの「スペインの未来」だったのだ。 |
6:17【ニワカ金持ちだった男が・・・】 すぐに我々は貧しくなったことに気付き・・・、 |
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6:19【たちまち乞食の姿に。dame
argo(何かください)】 そしてもっと悪いことに、貧困化を決して止めることができないと気づいたのである。 |
6:24【España(エスパーニャ;スペイン)のシンボル、闘牛。】 もうスペインじゃなくなった。 |
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6:27【Españistán(エスパニスタン)のやせこけた牛】 きっと「エスパニスタン」になったのだろう。 |
6:30【字幕:La historia continúa en... Españistán(歴史はエスパニスタンの中で続く。 Esdte país neva a la mierda(この国はクソに向かって雪のように堕ちていく。)】 |