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ジェイムズ・ペトラスの最新論文

皇帝の激怒:世界をカオスで包んでしまえ!


 以前に私は「ロシアがウクライナに返答を望む10の質問」の翻訳後記の中で次のように書いた。
…実を言えば私はこの事件が起こったときに「これはイスラエルのガザに対する蛮行から世界の注意をそらす役割も兼ねているのだろうな」と思った。ガザへの地上攻撃が開始されたタイミングと重なっていたからだ。新聞やTVニュースのトップで最大の時間を割いてウクライナとアメリカの政府発表に基づいた情報を流し、ガザで起こっている大虐殺は片隅に追いやられるのだろうと予想したのである。しかし私の予想は見事に裏切られたようだ。スペインのTVと新聞は、かつてなかったほど大規模にしつこくイスラエルの暴力性と残虐さを視聴者にアピールしており、逆にマレーシア航空事故がかすんでしまう。…

 実際には、イスラエルによるガザでのジェノサイドは私の予想の正反対、つまり、東ウクライナでの蛮行から世界の注意をそらす役割を兼ねたもののようだ。ウクライナの戦闘地区には400万人の住民がおり、ガザ地区同様の人道的惨事が続いている。その住宅地と公共施設に爆撃が加えられ無差別殺人が続けられている。国連人道問題調整事務所(OCHA)によれば、4月中旬以降すでに1367人が殺害され、4087人が負傷しているがそのうち2589人は一般市民だ。6月初旬までには250人の民間人が死亡していたのだが、最新のWHOの調査によると、7月26日までに1129人の民間人が殺害され3422人が負傷している。およそ80万人がロシア国境を越えて難民となり17万人がロシアの入国手続きのために国境付近にとどまっている。西側マスコミでこのような事実を伝えている記事があるのだろうか。

 一方で、8月5日に 400人を超えるウクライナ政府軍兵士がロシアとの国境を越えて亡命を申し出た。ウクライナ軍兵士の士気は高くないし指揮系統の混乱やいい加減さも多いようだ。(攻撃を計画し指示しているのはアメリカ人の「顧問」と思われるが。)しかも、ウクライナ国家当局と軍が関与していなければ起こり得ないマレーシア航空機事故について、多くの疑問には耳をふさいで何の証拠も無いままに「ロシアの責任」が喧伝されている。911事件以来 、何度となく繰り返されてきたアメリカ政府と西側マスコミのやり口である。

 西側の戦争狂どもにとっては、ウクライナの事実をこそ世界の目から遠ざけたいはずだ。他方、イスラエルは世界中のどこの誰が何を言おうが屁とも思わない。いつも通り、いままで何十年も続けてきたとおりの破壊と大量殺人を繰り返し、それを止める者は誰もいない。いまさらその残虐行為を大っぴらに報道されても何ら痛くもかゆくもあるまい。この鋼鉄の神経を持つイスラエルとシオニスト・ロビーに世界の注目をウクライナからそらしてもらうことで、プーチンを破滅に一歩近づけることができよう。加えて、近頃なにかとイスラエルに嫌な顔をするアメリカ大統領オバマを脅迫し服従を命じて、シオニストの絶対権力を誇示することもできる。たとえ戦闘が終わっても、電気も水も無いガザのパレスチナ人がどれほど死ぬのか見当もつかないが、この者たちにとっては虫が死ぬほどの意味も持たないのだろう。

 オバマは、ガザでのジェノサイドとマレーシア航空機「墜落」が起こって以来、何一つ明確な証拠と示すことなく「ロシアの責任」と「制裁強化」だけを喚き散らし、ネタニヤフの後ろに付いて「ハマスの責任」をつぶやくことしかできない。この数日間TVで見る限り、その顔が目も当てられないほど醜怪さを増してきた。どうやら本物の悪魔にとりつかれてしまったようだが、彼に効くエクソシストが存在するだろうか。こんな「皇帝」オバマを取り巻く状況について、ユダヤ系アメリカ人、ニューヨーク州立大学ビンガムトン名誉教授で社会学者のジェイムズ・ペトラスによってこの7月28日に公表された次の文章を和訳(仮訳)してみた。
The Emperor’s Rage: Let Chaos Envelop the World! ( 07.28.2014)
http://petras.lahaine.org/?p=1997 


 私はこの文章を一読して思わず目を疑った。当サイトではペトラスの論文の和訳「キエフ一揆:反抗する労働者たちが東部で権力を握る」をつい2ヶ月半ほど前に公開したばかりだが(ペトラスの他の記事はこちらこちら)、今回の記事の調子が同じ人物のものとは思えないほどに変化していたからだ。彼の文章は今まで、アメリカ・EUの戦争政策とそれを強引に推し進めるシオニストに対する嘆きと激憤の一方で、その戦略に対する冷静な分析とともに、未来への希望の糸口をつかもうとする姿勢が一貫していた。しかし今回、これほどにペシミスティックなペトラスに出会うとは思ってもいなかったのである。

 核戦争勃発の可能性を訴える人々がいる。ペトラスもまた、今回の記事を読む限り、現在の状況がもはやその最悪の事態に向けて制御不能に陥ってしまったと観念しているように見える。もちろんその可能性はゼロではあるまい。第2期ブッシュ政権のときにイランの地下核施設を小型戦術核を搭載したバンカーバスターで破壊しようという計画があったようだ。しかし、空中で核爆弾を破裂させる戦争については、ネオリベラル経済で地球を支配しようとする者にとって「宝の山」である市場を破壊し再生不能にする行為であり、彼らの貪欲と打算が、殺人と破壊に狂った悪魔どもの手を押しとどめるのではないか…。

 しかし下記の和訳でこのペトラスが述べているように、徐々にそのコントロールすら不可能な状態に近づいているのかもしれない。カオスは何かわずかのパラメータの変調で誰もが予想できず止めることもできない出来事を引き起こす。人間の愚かさが理性を圧倒し虚構が真実を破壊してきたのが現代の歴史だ。狂気と貪欲・打算と愚かさの混沌から何が産み出されるか、正確な予想はできない。作りだされた政治的・経済的・文化的なカオスが巨大化され、それがあらゆる秩序と平和を破壊していく中で、この老教授を核戦争と放射能地獄を予想する絶望感にまで追い込んでいるのは、母国アメリカとその指導者、そして何よりも、アメリカとイスラエルに住む彼の同胞たちが見せる、血の盃に酔い痴れて踊るカーリーのおぞましい姿なのだろう。

2014年8月7日 バルセロナにて 童子丸開

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皇帝の激怒:世界をカオスで包んでしまえ!
2014年7月28日 分析記事

序:アメリカ、ヨーロッパとその眷属・同盟者たちが大量虐殺の戦争を追求するにしたがい、カオスが支配的となり拡大する。シリアでの傭兵による戦争、イスラエルのガザに対する恐怖の爆撃、ウクライナ・パキスタン・イラク・アフガニスタン・リビア・ソマリアでの代理戦争。
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 何千万人もの避難民が全面的な破壊の場面から逃亡する。神聖なものは何も無い。どこにも聖地は無い。家も、学校も、病院も、全ての家族が、破壊の対象となっている。


意図的なカオス

 カオスの中心部では、野蛮な目つきのオバマ大統領が盲目的に、その結果を思い描くことなく、財政的な破綻あるいは核戦争の危険を進んで犯そうとして、こぶしを振り上げる。彼はイランに対する制裁を強化させ、ロシアへの制裁を科し、モスクワから5分の位置にミサイル基地群を設け、パキスタン、イエメンとアフガニスタンに殺人無人機を送り込み、シリアの傭兵に武器を与え、イラクでクルド人を訓練して装備させ、ガザに対するイスラエルの蛮行のために資金を支払う。


何も機能しない

 カオス大統領は、ある者の敵を飢えさせることが従順さの確保にはならないという事実に盲目である。それによって彼らはまとまって抵抗するのだ。政権をすげ替え力と誤魔化しで傀儡を押し付けることは、複合的な社会の社会的構成を破壊する可能性がある。何百万もの農民と労働者が根こぎされた難民となるからだ。人々の社会的な運動は組織的犯罪集団と武装盗賊集団とに置き換わる。

 中央アメリカは、アメリカによる直接のそしてその傀儡を使った軍事侵略の結果であり、それらが最も基本的な構造の変化を妨害したのだが、無数の人々にとって混乱した住むに耐えない地獄と化している。数十万の子供たちがその「自由市場」から逃げ出しているが、そこでは大規模な飢餓と軍事国家とギャングどもの暴力がある。アメリカ国境での幼い難民たちは大量に逮捕され、間に合わせの収容所に閉じ込められている。その中では警官と監視官による精神的、肉体的、性的な虐待を受ける。収容所の外部では、これらの哀れな子供たちは、彼らが脱出を試みる危険とその地獄を産み出しているアメリカ政府の役割を知ろうともせずにおびえるアメリカ国民の、人種主義的な嫌悪に曝されるのである。

  アメリカが背後に付くキエフ政権の航空当局は、キエフのジェット機が反抗的な都市と町を爆撃しているというのに、国際線旅客機に防空ミサイルが林立する戦闘地域上空を飛ぶように進行方向を変えさせた。一つの飛行機が撃ち落とされ、300人に近い民間人が死亡した。ロシア大統領プーチンを非難するキエフからの告発が、その悲劇/犯罪を説明する本物の事実が何一つ無いままに、西側メディアに爆発するように溢れだした。戦争狂いの大統領オバマと涎を垂らすEUの首脳たちは、ロシアをのけ者国家にしてしまうぞと脅迫しながら、最後通告を噴射させた。「制裁、制裁、どこででも…。でも最初に…、フランスはロシア海軍に15億ドルの売却【 2隻のミストラル級軍用艦船の売却:訳者】を果たさねばならない」。そしてシティー・オブ・ロンドンはロシアの大富豪を「制裁」から免除する。彼らが寄生的なFIRE(ファイナンス、保険、不動産)経済での資金洗浄に深く食らい込んでいるからである。冷戦は戻って来たが、ビジネスにとって…例外を伴いながら…醜い転換をもたらしている。

 核大国同士の対峙が差し迫っている。そして狂乱するバルト諸国とポーランドはロシアとの戦争を求めて最大限の金切り声をあげる。自分たちが最初に灰にされてしまう場所にいることにも気づかずに…。

 毎日毎日、イスラエルの戦争マシンは、ますます多くの嘘を吐きだしながら、ますます多くのガザの子供たちを噛み潰す。大喝采するイスラエルのユダヤ人たちが、包囲されたガザにある人口密集地シェジャイヤ地区の集合住宅と学校に一発一発のミサイルが命中するのを祝うために、要塞化された丘の上に腰を下ろす。ブルックリンの正統派と世俗派のユダヤ人企業家のグループが団体旅行を組織したが、それは、日中には聖なる地を訪れ夜間はガザの花火大会を楽しむ…逃げ惑う母親たちと焼け死ぬ子供たちを観察するためのナイト・ゴーグルが小額の追加料金で貸し出される…というものだ。

 再び、アメリカ上院はイスラエルの最新の大量虐殺戦争に全会一致で支持の投票を行っている。どんな犯罪もアメリカ指導者たちの良心の呵責をかきたてるに足るほどに酷いものではないのだ。52米国主要ユダヤ人組織代表者会から与えられる台本を墨守する。彼らは共に、パレスチナの肉と骨を貪り食う黙示録のけだものを抱きしめるのだ。

 しかし、何と忌々しい! フランスのシオニストは「社会主義者大統領」オランデを動かしている。明らかなジェノサイドの報道があるにもかかわらず、パリは全ての反イスラエル・デモを禁止する。ガザの抵抗を支持するデモ隊は、特別武装警官によってガス弾を撃ちこまれ暴行される。「社会主義者」オランデは、自分の国の共和制の伝統とその聖なる「人間の権利」をゴミ箱に投げ捨てながら、強力なシオニスト組織の要求に仕えるのだ。

 若いパリの抗議者たちは、自由パレスチナの旗を振りながら、パリ・コミューンのかすかな伝統の中で、バリケードと歩道の石を使って戦い返した。たった1本の「赤旗」すら目にすることはなかった。フランスの「左翼」はベッドの下に潜り込んでいたか、あるいはバケーションで留守だったのである。

 殺人の戦場から遠く離れた場所で不吉な兆候が現われる。経済が収縮するのに株価が上昇している。野蛮な投機屋たちが、「洪水」つまり新たな不可避の破綻の前に、架空の経済と実体経済のギャップを広げるその目覚ましい作業に再び取り掛かっている。

 かつてのアメリカ産業の偉大なデトロイトで、基本サービスへの支払いのできない何万人もの貧しい市民に対して水道が閉ざされている。夏のさ中に都市にいる家族は、廊下や路地や空き地に排便をさせられる。水が無くトイレがつまっているのだ。子供たちは体を洗うことができない。配管工の棟梁ロスコーは仕事などどこにもないと語る。

 悪名高い我々のエコノミストたちによると、デトロイトの経済は「回復しつつある…収益は上昇し、苦しんでいるのは人々だけだ」。生産性は2倍になり、投機屋たちは満足だ。年金はめった切りにされ給料は下げられる。しかしデトロイト・タイガーズは首位に立っている。

 どこでも公立病院は閉鎖されつつある。ブロンクスとブルックリンでは救急病棟が超満員だ。何たるカオス!インターンが36時間交代で働き…、そして病人やけが人は睡眠導入剤を与えられて治療のチャンスに賭ける。一方でマンハッタンでは、エリート階級のための私立病院と「ブティック」プラクティス(高級専門医療)が急増している。

 スカンジナビア人たちはキエフでのクーデターによる権力奪取を祝福した。スウェーデンの外相ビルトはロシアとの冷戦を求めてどなり散らした。デンマークの使者でNATOリーダーであるラスムッセンは、リビアに対するNATOの「勝利」の再現として、シリアへの爆撃と破壊の展望を下劣に吐きつけた。

  ドイツの指導者たちはガザに対してイスラエルが実行中のジェノサイドを是認する。彼らは、70年前のナチの犯罪に対する「罪悪感」というノスタルジックなブランケットによって、あらゆる道徳観念から心地よく保護されているのだ。

 サウジが資金を与えるイラクの聖戦主義テロリストたちは、単にかつてのモスルから何千人ものキリスト教徒を追い出すことによって…、その「限りない慈悲」を示した。2000年近く続いたキリスト教徒の存在は十分に長かったのか! ただ少なくとも、逃げた者たちの大部分はまだ首が胴につながってはいたが。


いたるところでカオス

 10万人を超える米国国家安全保障省のエージェントが、アメリカにいる200万人のイスラム教徒国民と住民をスパイするために雇われている。しかし、使われる何百億ドルものカネと何千万もの会話記録の全てと引き換えに、イスラム教の慈善活動が裁かれ博愛主義の個人は「おとり捜査」の中で罪をでっちあげられるのだ。

 どこに爆弾が落とされるのか誰も知らないが、人々は逃げる。何百万人もの人々がカオスから逃げつつある。

 しかし行くべき場所が無い! フランス人は六つのアフリカの国を侵略するが、難民たちはフランスに逃がれることを拒否される。何千人もが砂漠で死ぬか地中海を渡る途中で溺死する。実際にフランスに逃れる者は、犯罪者の烙印を押されるか、ゲットーと収容所に送り込まれる。

 アフリカで、中東で、中央アメリカで、そしてデトロイトで、カオスが統治する。アメリカのメキシコとの国境全部が、武装した拘留センター、多国籍犯罪者収容所と化している。その国境線は我々の世代にとって見る影もないものだ。

  市場でカオスが統治する。カオスは貿易の制裁という仮面で現われる。昨日はイラン、今日はロシア、そして明日は中国だ。ワシントンよ、注意しろ! お前の敵たちは共同の場を見出し、貿易をし、合意を結び、防衛を打ち立てつつある。それらの結びつきはより堅固に成長しているのだ。

 イスラエルでカオスが統治する。戦争に取りつかれたイスラエル人たちは、貧弱に武装した少年たちや男たちが自らの土地のために立ち上がるガザの路地で、神に選ばれた民族もまた血を流して死に肋骨と目を失うだろうことに気づくのだ。歓声が嘲りに変わるときに、彼らは自分たちの清浄なる屠殺人、ビビ【ネタニヤフの愛称:訳者】を再選するのだろうか? 海外の同胞たち、資金調達者たち、ロビイストたち、そして肘掛椅子の上で殺人を煽りたてる者たちは、自動的に何らかの新顔を擁護するだろう。疑問も後悔も、また(断じてあってはならない!)自己批判も抜きにである。  ― 『イスラエルとユダヤ人にとって良いものなら』それは正しいに違いないのだ!

 ニューヨークでカオスが統治する。法の支配は、古いアルゼンチンの債権に1000%の収益率を要求する海賊どもとそのハゲタカ資金を優遇する。もしアルゼンチンがその金融脅迫状を拒めば、債務不履行とその衝撃波が世界中の金融市場を襲うことになる。債権者は見通しが立たず震え上がるだろう。恐怖感は新たな金融危機にまで膨れ上がるだろう。またしても何兆ドル規模のベイルアウトが絞り出されるのだろうか?

  しかしお金はどこにあるのだ? 輪転機は昼夜を徹して回っている。数隻の救命ボートしかない…銀行家とウォール・ストリートにとっては十分だが、残りの99%は泳ぐかサメのえさにならねばならないだろう。

 腐敗した経済紙はいま、戦争屋にはどの国に爆弾を落とすかを、政治家にはどのように経済制裁を科すかをアドバイスするのだ。もはや彼らが健全な経済情報を供給したり市場への投資家にアドバイスすることはない。その論説の馬鹿騒ぎは投資家の遁走を煽りたて、銀行が破産する際の緩衝材に使う大型マットレスの購入に向かわせるだろう。

 アメリカ大統領は精神的な破滅の崖っぷちに立っている。彼は、政治的パラノイア、戦争ヒステリー、そして誇大妄想の悪化を伴う、ミュンヒハウゼン【ドイツの物語「ほら吹き男爵の冒険」の主人公:訳者】に匹敵する大嘘つきだ。彼は荒れ狂い金切り声で「私は世界を指導する。アメリカの主導権か、さもなければカオスか、なのだ」とぶちまける。徐々に世界は別のメッセージを伝えている。「それがアメリカ、すなわちカオスなのだ」。

 ウォール・ストリートは彼を見放しつつある。ロシア人たちは彼を裏切っている。中国商人たちはいまや、かつては我々がいた、そして今もいるべきどんな場所ででも商売をしている。彼らはいかさまのサイコロで賭けをしている。頑固なソマリア人たちは黒人大統領への服従を拒否する。彼らはこの「無人爆撃機を持つマーチン・ルーサー・キング」を拒絶するのだ。ドイツ人たちは、アメリカ人が彼らの日常的な会話を監視し記録するときに、完全な人事不省に陥って親指をしゃぶっている。自分たちの安全のために…! 「我々の仲間たちは恩知らずだ。我々があいつらのために何もかもしてやった挙句に」と、この第1代黒人大統領はすすり泣く。「我々がやつらの作戦に支払ってやったというのに、あいつらは我々の求める負担から逃げ出しやがる!」


最終的解決:カオスの終了

 唯一つの解決が進行中である。つまり、カオスはカオスを産むということだ。大統領は自分の「主導権」を発揮しようともがいている。彼は身近な補佐官たちに極めて厳しい質問をする。「なぜ我々は、イスラエルがガザを爆撃するようにロシアを爆撃することができないのだ? どうして我々はヨーロッパの上空に『アイアンドーム』を作ってロシアの核ミサイルを撃ち落とさないのか? その間に我々はモスクワに、新しくウクライナに我が軍の基地から火を降らせてやるのだ。我々のドームがどの国々を守るのか? 東ヨーロッパとバルト諸国の国民は大喜びでその崇高な犠牲を捧げるだろうと、私は確信している。要は、彼らの指導者たちはロシアとの戦争のために口角泡を飛ばしながら、まさにその最前線に立っていたのだ。彼らの報酬は核戦争による荒廃地だが、我々の成功を確実にするための些細な代償だろう!」

 シオニスト・ロビーは、我々の「アイアンドーム」がイスラエルを覆うことに固執するだろう。しかしサウジ家はロシア人を買収して、モスクワがメッカの近くにあるアメリカ軍基地を標的にする際に、油田を避けるようにしてもらうかもしれない。放射能を放つ中東での我が同盟者たちは新しい聖地を設置し直すだけでよかろう。

 オバマと彼の補佐官たちはアジアの人口を十億人か二十億人分減らすことを考えているのだろうか? 大統領の引く「一線」を中国が超えたという理由で、彼らは何百ものヒロシマを計画するのだろうか? 中国経済と貿易はあまりにも速く成長した。あまりにも遠くまで勢力を拡張した。あまりにも競争力があり、あまりにも能力にあふれ、市場のシェアを得るのにあまりにも成功した。そして彼らは我々の警告と我々の並ぶ者無き軍事力を無視した。

 アジアの大部分は核の塵を吸い込むだろうし、何百万人ものインド人とインドネシア人が二次的な被害で非業の死を遂げるだろう。生き残った者たちは膨れ上がる海で捕れた「放射能漬けの魚」に舌づつみを打つことになるだろう。


カオスの果てに;新しいアメリカの道

 我々の「アイアンドーム」が我々を見捨ててしまうため、我々は死の灰の中から再び現れ出て、戦争も貧困も無い新アメリカを夢見ながら、待避壕の中から這い出さなければならないだろう。カオスの統治は終わった。墓場の「平和と秩序」が最後に統治することだろう。


帝王たちは忘れられる

 そして我々は、300名の乗客乗員を乗せた呪われたマレーシア航空機に向けてあのミサイルを発射した者を見出していないだろう。我々は、イスラエルの選民たちに虐殺された何千人ものガザの親たちと子供たちを数え落としていることだろう。我々は、どのようにロシアへの制裁が作りだされたのかを知ることが無いのだろう。

 それは、カオスが去った後のポスト核の時代には、どうでもよいことなのだ…。

【引用、翻訳、ここまで】
 
 

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