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シリア政府:国軍によるエジプト大統領モハメド・モルシの追放はエジプト国民にとって「偉大な成果」となった
シリア政府は木曜日の国営テレビを通して、「シリア国民と指導部と軍は、偉大な成果を遂げたエジプトでの国民大衆の運動に対して深い感謝を表す」という声明を述べた。
この声明は同時に、モルシ政権の追放は「民主主義を維持するかたい意思を持つ根本的な逆転」であると語った。
(中略)
シリア情報相オムラン・アル‐ゾウビは水曜日に、もしモルシが倒されればエジプトは危機を乗り切るだろうと語った。
「もしモルシが、エジプト国民の大多数が彼のそこにいることを拒否して退陣を求めていると知るなら、エジプトは危機を乗り越えることができるだろう」と言った。
【翻訳、以上】
モルシ大統領はシリア上空に「飛行禁止区域」に設定するよう国際社会に呼びかけるとともに、シリア国民支援のための緊急支援集会の開催に向けて他のアラブ諸国やイスラム諸国の政府と接触を図ったと明らかにした。モルシは反アサドの急先鋒だったのである。しかもリビアのカダフィ政権が血祭りに挙げられたときと同様に西側勢力による「飛行禁止区域」を作ることすら強く提案していた。シリアがモルシ政権崩壊を喜ぶのは無理もない。しかし問題はさほど単純ではない。同じ7月4日付のPressTVのインターネット・サイトには次の記事も載せられた。
シリアの内戦は宗派間対立の様相を強めており、13日にはエジプトを含む数か国のイスラム教スンニ派(Sunni)の聖職者らが、シリアの現政権に対するジハード(聖戦)を呼びかけた。
政治アナリストは、エジプトはイスラエルのシオニスト政権によるコントロールから逃れなければならない。それは中東地域に大災厄をもたらしているのだ。さもないと、エジプトは分離に直面し失われることだろう。Press TVが伝える。ここではシリアはエジプト新政権に対して、英語訳では「must」を使うほどの非常に厳しい調子で、シオニストから離れることを求めている。しかも牛などの家畜の首に結び付けてコントロールする「くびき(yoke)」という言葉まで使って。つまりシリアはこの新政権もまたシオニストに思うがままに操られる危険性を強く感じているのである。アサド政権(およびそれを支援するイラン)がどうしてエジプトに対する「西側とシオニストのコントロール」を強調するのか。それがシリア内戦ととんなかかわりがあるのか。そもそも、モルシに代表されるイスラム同胞団とシオニスト(イスラエル)、シリアの「内戦」と米欧・イスラエルがどんな関係にあるのか。また今回のモルシ政権が倒されたクーデターと米欧・イスラエルにどんな関係があるのか。
木曜日のPress TVウエッブサイトで報道された記事の中で、グローバル・ジャスティス・ムーヴメントの共同創始者であるロドニィ・シェイクスピアは次のように語った。エジプト人たちは、西側に支援されたホスニ・ムバラクの追放が真の革命をもたらさなかったことに十分に気付いている。それが西側とシオニストのコントロールを終わらせることに失敗したからだ。そのコントロールはモハメド・モルシのもとで異なった形態で引き続いたのである。
【後略】
●ねつ造されたシリアの宗派間戦争 (Intifada Palestine : June 08 2013、シェーマス・クック著、松元保昭訳) ここでは、シリアの紛争がスンニ派とシーア派の宗派対立ではなく、西側‐イスラエルにコントロールされ外国から送り込まれたテロリストを中心とする勢力によってひき起こされていることを明らかにする。またそのテロリストの発進基地の一つであるトルコは、エジプトのムスリム同胞団と同様の「穏健(?)派」イスラム教徒が支配勢力である。 ●シリアの化学兵器物語り:人道的大惨事を後押しした米=NATOの計画とは? (Global Research : June 14 2013、ミシェル・チョスドフスキィ著、松元保昭・童子丸開共訳) 西側勢力は、あたかもシリア政府がシリア国民に対して化学兵器を使用したかのようなデマを流し続けるが、それは、米国に手引きされたアルカイダに属するアル・ヌスラによって使用されたものである。米=NATO=イスラエルは自らの手を汚さずにシリアの外からやってくるこれらのテロリスト集団を使い訓練して大量虐殺を演出し、人道的災厄を拡大させようとしている。その作戦は、イラクやリビアでの大量虐殺とは異なり、イランそしてロシアを食い荒らして政権転覆まで目指して進められるものなのかもしれない。 ●イスラエルのシリア攻撃 米国NATO の失敗した隠密戦争を救うため自暴自棄の企て ― シオニストと「ジハード主義者」が手を組む一方で (Global Research : June 31 2013、トニー・カルタルッチ著、松元保昭訳) イスラエルは国際法を平然と踏みにじってシリアを爆撃した。そしてイスラエルの働きは米国=NATOの中東戦略の一部を為している。シオニスト・イスラエルは西側の巨大資本と覇権主義者の尖兵となって、ほとんど自暴自棄な作戦に精を出しているのだ。また以前にカダフィを血祭りに挙げたリビアのイスラム勢力は、エジプトのムスリム同胞団とともに、西側らがシリアに送り込むテロリストの供給基地のひとつである。サウジアラビアとカタールがテロリストの活動のために資金を供給し、イスラエルと手を組むエルドアン政権のトルコが最大の軍事発進基地となっている。 ●バシャール・アル・アサド大統領へのインタビュー: 私はあきらめない。誰が残り誰が出て行くのかを決めるのは国民であり、米国ではないのだ。 (Intifada : May 18 2013、アルゼンチン・クラリン紙によるアサド大統領へのインタビュー、童子丸開訳) 西側メディアが「(外国発の)反政府勢力の声」を使って悪魔的に描き、そのように世界に印象付けられるアサドだが、その直接の声を世界に広めたのがアルゼンチンを代表する日刊紙クラリンである。偏りのない認識を持ち現代の世界を正確に理解するためには、マスコミのこのような仕事こそが重要なのだ。 |