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復刻版:「国際テロ組織」は存在せず、911は内部犯行!
       元ロシア陸軍参謀総長レオニード・イワショフ著

 この拙訳は2006年3月に私(童子丸開)が和訳して、季刊『真相の深層』誌(木村書店、廃刊)に寄稿された後、私の旧HPに掲載していたものである。気付いた限りの誤訳、誤字や脱字などは修正を施し、また必要に応じて注釈等を加えている場合がある。(外部リンク先にはすでに通じなくなったものが含まれているかもしれない。その点はご容赦願いたい。)
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(訳者より)

 2004年11月17、18日にブリュッセルで「2005年平和の枢軸(Axis for Peace)国際会議」が開催された。これはティエリ・メイサンを主筆とするヴォルテール・ネットが主催したもので、もちろん米国政府の言う「悪の枢軸(Axis of Evil)」を皮肉っているばかりでなく、真の意味の「悪の枢軸」である米国、英国、イスラエルの世界戦争政策を封じ込める意味を込めて命名されたものであろう。(平和の枢軸2005HPは次)
http://www.axisforpeace.net/

 この会議の中で、ロシア地政学問題研究所副所長レオニード・イワショフが注目すべき発言を行った。「国際テロ組織は存在しない」「9・11事件は内部犯行である」と。

 イワショフ将軍は元ソヴィエト連邦の国防省総務局長官、CIS国防省顧問、そしてロシア連邦国防省国際軍事協力局長を歴任し、2001年9月11日にはロシア陸軍参謀総長の任に就いていたのだ

 イワショフのこの発言は巨大な意味を持つ。彼が、ロシアという国家と軍で重責を担いこの国家の戦略に深く関わる立場の人物だからだ。そして世界の主要メディアはこれほどの重要人物の発言を無視することによって、イワショフの言う『メディアとテロの間の共生関係』を証明したのである。

 翻訳に用いたテキストはスペイン語版ヴォルテール・ネット2006年1月11日付に掲載されたイワショフ自らの論文のスペイン語訳である。
http://www.voltairenet.org/article133545.html
 またこの論文には英訳も出ている。
http://www.voltairenet.org/article133909.html?var_recherche=rusia+terrorism?var_recherche=rusia%20terrorism

 なお、言うまでもないことだが、標題の「国際テロ組織」は「アルカイダ」を代表とするいわゆる「イスラム系国際テロ組織」であり、本文中で書かれる「国際テロリズム」とはイワショフの言う「世界エリート」が各国政治の転覆と世界支配のために作り上げた装置を指す。
【この「世界エリート」、つまり多国籍マフィアと国際的寡頭支配集団は2000年以降に、欧州、特にスペインを標的として「バブル経済」という名の経済テロをも仕掛けている。その結果として2014年までに国家機能そのものをも失いかけているスペインの惨状については、シリーズ:「中南米化」するスペインと欧州』、『シリーズ:『スペイン経済危機』の正体』をご覧いただきたい。】

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平和の枢軸
【ヴォルテール・ネットによる説明】

 2001年9月11日の襲撃が起こったときレオニード・イワショフ将軍はロシア陸軍参謀総長であった。このインサイダーとして生きてきた軍人は、米国の軍人たちとは全く異なる分析を我々に示す。2005年「平和の枢軸」会議で行ったように、彼は今、国際テロリスト組織は存在しないこと、および9・11襲撃がでっち上げであることを説明する。我々が見ているものは巨大な権力によって捏造されたテロリズムに他ならず、その権力無しには存在しないものである。彼は、あの種のテロ攻撃を減らす最も良い方法について、『対テロ世界戦争』の誤魔化しではなく、国際法規の尊重および国々と国民の間における平和協力を通してなされるものだ、と断言する。

2006年1月11日
ブリュッセル(ベルギー)より


国際テロ組織は存在しない          

                              レオニード・イワショフ著


 今日の国際情勢が示すとおり、テロリズムは紛争が激化している場所に現れる。そこには社会関係の変化や政権交代がある。そこには政治的・経済的・社会的不安定がある。そこにはモラルの崩壊があり、シニシズムとニヒリズムが跳梁する。そこでは悪徳が正当化され、そこでは犯罪が蔓延する。

 そのような極端に危険な現象が起こる状況を世界に作り出すものがグローバリゼーションである。このコンテキストの中で、戦略地政学の地図が新たにデザインされ、地球の資源が再分配され、国境線は消え去り、国際法は引き裂かれ、文化の独自性は消し去られ、精神生活は貧困化していく・・・・。

 グローバリゼーションの進行過程、そして米国および他の国々の軍事と政治の方針に対する分析により、テロリズムが世界的な寡頭支配者による国々の占領と従属の現実化に貢献していることが証明される。このことは、テロリズムが世界政治における独立した存在ではなく、単に一つの道具、つまり唯一の世界指導部を持つ一極化した世界を作り上げるための一つの手段であることを、そして国々の国境線を消し去り新たな世界エリートによる支配を実現させるための前提であることを意味している。国際テロリズムの鍵となる要素を設定するのがまさしくこのエリートなのだ。彼らはそのイデオローグでありその『ゴッドファーザー』なのである。

 この世界エリートが第一にその攻撃の標的とするのは、歴史的、文化的、伝統的そして自然界の現実である。つまり、国家間の関係における現存のシステム、世界にある人間の文明の国家的で民族的な秩序であり国のアイデンティティなのだ。

 今日の国際テロリズムは、民衆の恐怖心と社会的・心理的な不安、武装勢力による抵抗の抹殺、国々の政治と国民の行動を操作するのに好都合な状況の創出を通して、その政治目的を達成する手段として、国家的なまた非国家的な政治組織によるテロの使用を組み合わせる現象である。

 テロリズムは、新しいタイプの戦争で使用される武器である。同時に国際テロリズムは、情報メディアと野合した形で、その世界的なプロセスの運営役となってきている。これは明確にメディアとテロの間の共生関係であり、国際政治と現存する事柄の改造を導くものなのである。
【2013年までにも「メディアとテロの共生関係」の例は数え切れないほどある。一例として『シリアの化学兵器物語り:人道的大惨事を後押しした米=NATOの計画とは?』をご覧いただきたい。】
 このコンテキストにおいて我々が2001年9月11日に米国で起こったことを分析するならば、次のような結論に達することができよう。

(1)   このテロ攻撃の組織者たちは世界の秩序を不安定にする中で利益を得る政界と財界のサークルであり、その作戦に財源を与えるために必要な手段を持つ者たちであった。この行動の政治的な着想は資金的および他のタイプの財源的な運営で緊張がかもし出される場所で成熟した。このテロ攻撃の理由は、それが多国的で国際的レベルの巨大資本の利益と一致していることの中に、またグローバリゼーションの進行のリズムやその方向性に満足しない者たちの集団の中に、見出されなければならないのだ。

  政治家と将軍たちによってその着想が決定された伝統的な戦争とは異なり、
  今回これを行ったのは寡頭支配者たちとそれに従う政治家たちであった。

(2)   諸諜報機関とその長官たち、あるいは未だにその国家組織の中で影響力を保持しているそのOBたちだけが、これほどの大規模な作戦の計画を立て組織化し指揮する能力を持つ。一般的に言って、過激派組織を作り資金を与えコントロールするのは諜報機関なのだ。諜報機関の援助無しにはこのタイプの組織は存在できない。そして十分に防御されている国々の中であのような大規模な活動を実行することはできないであろう。あの大規模な作戦の計画を立てて実行することは極めて複雑なことなのだ。

(3)   オサマ・ビン・ラディンと『アル・カイダ』は決して9・11襲撃の組織者でも実行者でもありえない。彼らはそのために必要な組織も人材もリーダーも持ってはいない。したがって、一つの専門家によるチームを作り出さねばならなかったのだ。そしてアラブ・カミカゼはその作戦を隠蔽するための端役なのである。

 この9・11作戦は、世界の様々な出来事の進む筋道を、多国籍マフィアと国際的寡頭支配集団によって選ばれた方向に転換してしまった。つまりこういうことだ。彼らはこの地球の天然資源、世界の情報網、そして資金の流れをコントロールしようと望んでいるのである。この作戦は同時に、やはり世界の支配をたくらむ米国の政治・経済のエリートたちを利した。

 国際テロリズムという用語の使用は、次のような目的を持つ。

► 支配とコントロールのための戦いにおいて世界中に展開される軍隊の真の目的を覆い隠すこと

► 人々の要求を目に見えない敵に対する定義不明な戦いの方向へ向けること

► 基本的な国際法規を破壊し、「侵略、国家テロ、独裁、民族解放運動」などといった用語の概念を変更させること

► 諸国民から侵略に対する戦いと外国諜報機関の工作活動に対する拒絶の合法的権利を剥奪すること

► 国家利益を放棄する原則を確立させ、テロに対する戦いを優先させることによって軍事上の目的を変えさせ、軍事同盟の筋道を侵害して共同防衛を破壊し反テロリスト同盟に都合の良いようにすること

► 反テロ戦争を前提とする強力な軍事支配を通して経済的な問題を解決すること 

 国際テロリズムと効果的に戦うために次の諸手段をとることが必要である。

► 総ての国家に尊重を義務付ける原則として、国連総会において国連憲章と国際法の原則を明確にすること。

► 大西洋主義者の同盟とは異なる価値基準を持った戦略地政学的な連合体(おそらく、ロシア、中国、カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタンが加盟している上海協力機構に着想を得るだろう)を形作ること;国々の発展の戦略、国際安全保障のシステム、財政と経済の新たなモデル(これは二つの支柱で世界を再び安定させることを意味するであろう)を考案すること

► (国連の下で)科学の指導者たちを連合させ21世紀における人類の哲学的な概念を考案して推奨すること

► 人間性の進歩、安全保障と相互援助を確立させるために、世界のあらゆる宗教宗派間の相互協力を組織化すること

【翻訳終り】

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