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【松元保昭氏の翻訳文】
以下は、パレスチナ連帯・札幌の松元保昭氏が、ご自分の通信網を使って公開された、トニー・カルタルッチ著、『イスラエルのシリア攻撃:米国NATO の失敗した隠密戦争を救うため自暴自棄の企て―シオニストと「ジハード主義者」が手を組む一方で』(グローバル・リサーチ 2013年1月31日)の和訳である。翻訳の前に、松元氏からの説明があり、引き続いて英文の和訳が載せられている。


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 今年に入ってから、イスラエルは1月30日と5月5日の2度シリアを空爆していると報じられました。2011年以来のシリアの「内戦」に、米国とともにイスラエルがどのような意図で参画しているか、ブルッキングス研究所の資料などをもとに分析をしているトニー・カルタルッチ氏の1月空爆時の論考を、拙訳ですが紹介させていただきます。

 先日紹介した同氏の論考は、「シリアの武装テロリスト勢力に膨大な武器と資金援助を提供している米国、イスラエルなど西側」のアサド政権転 覆の意図を暴いたものですが、イスラエルの動向に焦点を当てた分析としてはこれがまとまったものです。4ケ月前の文章とは思えないほど的確に情勢を射抜いています。

 加えて今月、イスラエルによるシリア空爆後の18日、アルゼンチンの通信社と新聞社がアサド大統領へのかなりの長時間インタビューを収録し、これはヨーロッパ各国のニュースでも大きく取り上げられました。ここでアサド氏は、米国、NATO,イスラエル、トルコなどのテロリスト援助によって政権転覆を謀る侵略には、普遍的な国家原則を対峙してけっして負けはしないと表明しています。

 イランや北朝鮮、シリアなど、米国、西側から「テロ国家の指定」を受けた側のメッセージは、極端に制限されるか歪曲されるのが常の不公正な 世界のメディア状況です。紹介したカルタルッチの二本の論考と直近のアサド大統領の発言とを照らし合わせ、シリア「内戦」をめぐる再考の材料にしていただければ幸いです。

 (なお「アサド大統領インタビュー」の全文翻訳はこちらです。)またきのう5月29日のニュースでは、EUが公然とアルカイダのために武器禁輸を解くと報じられました。

 国連憲章やジュネーブ条約など人権と平和にかんする国際条約が次々と反故にされ蹂躙されている根幹には(原発と核兵器管理も同根ですが)、国連諸組織を道具としながらイスラエルを特別扱いする米国、西側の、イスラエルと共に自らの植民地主義を肯定し継続するという根深い意思と戦略が横たわっています。本稿では、彼らの「敵」をつくる手口が標本のように見えてきます。

 また、しばしば国民こぞって好戦的な国家主義に踊るというイスラエルと日本の侵略的相似性は、アジア大陸の東西で米国の飼い犬(いまや米国がイスラエルの飼い犬であるかもしれないが)として生きてきた戦後の共犯関係からの脱却も課題です。

 さらにイスラエルと日本の両国は、ともに短い歴史で強引に作られた脆弱な「神話」を追いかけ、隣人へ与えた多大な損害に理解もせず謝罪もし ない、大半の人がそれに迎合するという狭隘な国家主義を乗り越える、まったく新たな民族形成という未知の課題があるような気がしてなりません。(松元記)

Israeli Attack on Syria: Desperate Bid to Save Failed US-NATO Covert War
When Zionists and "Jihadists" Join Hands

イスラエルのシリア攻撃:
米国NATO の失敗した隠密戦争を救うため自暴自棄の企て
             ―シオニストと「ジハード主義者」が手を組む一方で
トニー・カルタルッチ(松元保昭訳)
グローバル・リサーチより 2013年1月31日

※【訳者注】ブルッキングス研究所などからの著者の引用文はすべて【 】で括っています。また、ブルッキングス研究所などが使用しているregime change は、通常「政権交代」と訳されていますが、著者の文意に則して「体制転換」と訳語を統一しました。
http://www.globalresearch.ca/israeli-attack-on-syria-desperate-bid-to-save-failed-us-nato-covert-war/5321194

 イスラエルは化学兵器の移送の「疑い」を理由に、シリアの主権を直接侵害し国連憲章および国際法に甚だしく違反するシリアへの空爆を実行した。ガーディアン紙は、「イスラエル、シリアへの空爆実行」と題して次のように報道した。
「イスラエルの戦闘機は、シリアの兵器備蓄について政府高官から警告が出されていた数日後、シリア・レバノン国境に近い目標を攻撃した。」
 次のようにも述べた。
「イスラエルは、シリア政権の化学兵器がシリア内部で戦う「グローバル・ジハード(国際ジハード主義者)」やレバノンのヒズブラの手に渡るのを防ぐため軍事行動を起こすと公に警告していた。イスラエル軍情報部は、輸送部隊の兵器搬送の可能性に備えて最新鋭GPS衛星でこの地域を監視していると言われている。」
 実際には、これらの「国際ジハード主義者たち」は、少なくとも2007年の初期から、事実上、米国、サウジアラビア、およびイスラエルから資金提供をうけ武装している。彼らはまた、事実上、イスラエルの最近の攻撃の直接の受益者でもある。この攻撃目的は、レバノンのヒズボラへの「化学兵器」移送を防ぐためではなく、より広域の紛争を誘発することにあった。それはイスラエルの防衛など目的ではなく、シリア国家を転覆し破壊することを目論んでいる西側の代理テロリスト武装集団の手詰まりを救い出すことが目的であった。したがって当然のことながら、この「兵器移送」にかんするイスラエルの「疑い」は確認されないままである。

 国連は耳をふさいで沈黙している。西側、サウジ、およびカタールの現金で資金提供し武装させている隣国シリアを襲撃する外国人テロリストをトルコが公然とかくまっているあいだ、トルコ領内へのシリアのどんな攻撃もただちに国連軍の動員を招くことだろう。逆に言えばトルコは、トルコの防衛を脅かすと非難してクルド人グループへの攻撃のため、何年ものあいだ、隣国イラクへの空爆および部分的な地上侵攻さえ許されている。これは明らかに、長きにわたってイスラエルに適用されている同じダブル・スタンダードである。
(画像:イスラエル空軍機

イスラエルは、米国およびサウジアラビアとともにアルカイダの主要な援助者である

 米国、イスラエル、およびサウジアラビアが、明白にシリアおよびイランの政府転覆の目的のためアルカイダと直接連携するこれら「国際ジハード主義者」を意図的に組織し資金提供し武装させていたことは、はるか2007年にさかのぼって米国、サウジ、およびレバノンの当局者によって認められていたことを想い起こす必要がある。

 ピューリッツア賞受賞ジャーナリスト、シーモア・ハーシュによって報道されており、ニューヨーカー誌の彼の記事「再審」の中では、つぎのように述べられていた。(強調点追加)
ブッシュ政権は、シーア派が支配的なイラン弱体化(転覆策謀)を中東における最優先事項として再構築することを事実上決定した。レバノンでは、米政権はイランに後押しされるシーア派組織ヒズブラの弱体化を意図する秘密作戦でスンニー派のサウジアラビア政府と協力した。また米国は、イランおよびその同盟国シリアを標的にした秘密作戦にも参加した。これらの行動の副産物は、アメリカに敵対的でアルカイダに共感を示すイスラムの好戦的なヴィジョンを採用するスンニーの過激派グループを梃子入れすることであった。
 イスラエルに関しては、明確にこのように述べている。
「この政策転換は、主にイランを実際的な脅威と見なしているという理由でサウジアラビアとイスラエル両国を新しい戦略的同盟の中に組み入れることにあった。両国は直接対話に参加しており、イスラエル・パレスチナ関係のより大きな安定化がこの地域におけるイランの影響力を減退させると考える(ワッハーブ派の訳注)サウジアラビア人が、アラブ・イスラエル交渉にさらに深くかかわることになるだろう。」
 付け加えれば、サウジアラビア政府高官は、この地域一帯での米国・イスラエルの野望を支える役回りを隠蔽するためにこの国が演じなければならない慎重な二足のわらじについて語った。
「そのサウジアラビア人は、自国についての見解の中で、同国がイランを挑発することで米国に同調するという政治的リスクを冒しているのだ、と語った。すでにアラブ世界では、Bandar(9・11当時在任の元駐米サウジアラビア大使バンダル王子(1949年生)と思われる。訳注)はブッシュ政権にあまりに近いと見なされている。「われわれは二つの悪夢を見ている」とその元外交官は私に語った。「イランが核兵器を持つこと、およびアメリカがイランを攻撃することの二つだ。むしろ私はイスラエルがイランを爆撃してほしい、彼らを非難できるのだから。もしアメリカがやったら、われわれが非難されるだろう。」
 アフリカ、マリの広大な地域を侵略し占領しているフランスが、この地域のアルカイダと提携するテロリスト・グループに資金提供し武装させているカタールを非難している一方で、フランス、米国、およびイスラエルが、シリアでまさにこれらと同じグループに資金提供と武装のためにカタールと共に連携して動いていることを知ることは、読者の興味をそそるかもしれない。

 実際、米国=イスラエル国籍をもつハイム・サバンのブルッキングス「サバン・センター」が、同様にカタールのドーハを拠点に多くの理事会を開催し会議を運営している一方、米国に拠点を置くシンクタンク、ブルッキングス研究所は文字通りカタールを拠点にした「ドーハ・センター」をもっている。ドーハもまた、西側諸国がごく最近創立させた「シリア連合」の主催地として機能しているが、それはあからさまなアルカイダ支持者であるモアズ・アル・カティブに率いられている。

 これらは、2007年 シーモア・ハーシュによって書き記された陰謀にかんする「開店表明」の一部である。

 2007年にもまた、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、シリアのムスリム同胞団と新たなパートナーシップをつくる米ブッシュ政権の計画について報道しており、そのグループはアルカイダ自身を含むテロ組織と連携しイデオロギー的に感化されていると指摘した。「シリアの動きを阻止するため、米国はムスリム同胞との同盟を検討」という記事のタイトルで、次のように述べていた。
「5月も終わるじめじめした午後に、シリアの最大亡命反政府グループ国民救国戦線の約100名の支援者が、シリア大統領バッシャール・アサドの支配に抗議してここダマスカス大使館前(米国大使館前と思われる訳注)に集まってきた。参加者たちは、「ただちに政権交代を」と書いた横断幕を掲げ反アサドのスローガンを叫んだ。」
「大統領アサドの専制支配体制を転換させる闘いでは、NSF(国民救国戦線)が自由民主主義者、クルド人、マルクス主義者、および元シリア政 府高官たちを結び付けている。しかしそれに不満なワシントンは、思いもよらない役者同士をも結びつけた。米国政府とムスリム同胞団である。」
 記事はさらに続ける。
「米国政府高官の話によると、この数か月のあいだ、米国の外交官および政治家たちは中東における民主的改革について彼らの見解を聞くため、ヨルダン、エ ジプト、およびイラクのムスリム同胞団と関係している諸政党の専門家たちとも会った。先月、とりわけエジプトおよびシリアにおける同胞団との積極的な関与について、そのメリットを審査するため国務省情報局は中東専門家会議を招集した。」
 同胞団とアルカイダとのイデオロギー上および作戦上の連携を次のように述べている。
「イスラム原理主義者との戦闘状態にとっては、今日とりわけアルカイダとムスリム同胞団との関係は、多くの議論の種をつくっている。オサマ・ ビン・ラディンと他のアルカイダ指導者たちは、同胞団の先の理論的指導者サイード・クトゥブの著作を西側とアラブの独裁者に対抗する彼らの聖戦の発想の源として引用している。エジプトおよびシリアの同胞団兵士たちはまた、ビン・ラディン氏の運動において古参の役割を引き受けてもきた。」
 こうしたすべてにもかかわらず、依然として米国、サウジアラビア、およびカタールは、イスラエルとトルコとともに公然と彼らと共謀しているし、さらに何年ものあいだ、リビアからエジプトのアラブ世界のいたるところでこれらの非常に宗派主義的で過激主義のテロリスト・グループに武装させ資金提 供しており、それはいまやシリアの内部と周辺にまで及んでいる。

 これらのテロリストが「化学兵器」を入手するというイスラエルの恐れは、まったくばかげた話だ。米国、NATO,英国、サウジ、カタールとさらにイスラエルの援助によって、2011年のリビアで、彼らはそれらの武器をとっくに手に入れている。事実、ほかならぬこれらリビアのテロリストたちは、トルコシリア国境を通り抜けてシリア内部に殺到し外国人武装グループの急先鋒として戦っているのだ。


イスラエルの攻撃が本当に意味するもの

 まさに「国際ジハード主義者」に、実際に武装させ資金提供しているという長期にわたって立証された関係を考えるなら、彼らの手に武器が落ちるかもしれないという恐れで隣国シリアを攻撃したというイスラエルの説明はどう見ても根拠薄弱である。ヒズボラにかんする恐れも同様に根拠が示されていない。―もしヒズボラが、あるいはシリアやイランが、レバノンに化学兵器を配備することに関心を持っていたなら、すでにそのようにしていただろうし、輸送部隊が単純に「国境を横断する」という人目を引く手段を使うことなど決してありえないことは明白であろう。すでにヒズボラは、2006年の夏に実例を示したように、通常兵器でイスラエルの侵略攻撃を打ち破ってそれ自身の能力を証明している。

 イスラエルおよびそのパートナー、レジェップ・タイイップ・エルドアン首相との双方がトルコ北方のシリア国境に配備した圧力は、現実にはシリア内部に展開している武装勢力に資金提供し武装させている西側諸国、イスラエル、サウジ=カタールに向けられた圧力を軽減させるために文書化された計画の一部である。

 上述の、フォーチューン500(19ペー ジ)が出資した米国外交政策シンクタンク―イランおよびシリアと同様にリビアにおける体制転換の構想を練り上げた―ブルッキングス研究所は、その報告タイトル「体制転換オプションの評価」で明確にこれを表明した。

 《画像(こちら):ブルッキングス研究所は中東メモ#21「体制転換オプションの評価(pdf)」で、人道主義的な「保護すべき責任」が長期にわたって計画された体制転換の口実にすぎないことを秘密にはしない、と述べている。》
….

 北部国境に沿って膨大な量の武器で軍事編制しているトルコの戦線と連携したシリア南部でのイスラエルの取り組みが、シリアにおける暴力的な体制転換を達成する助けになりうるか、ブルッキングスは次のように述べている。
「付け加えれば、イスラエルの情報機関は、シリアにかんする確かな知識を持つと同時に、アサド解任に圧力をかけ政権の権力基盤を転覆するために利用できる人材をシリア政権内部に持っている。イスラエルは、ゴラン高原とその付近に軍を向けるポーズをとることができ、そうすることで、政権側の軍事 力を反政府派に対する鎮圧から逸らすことができるかもしれない。とりわけトルコがその国境で同じ企てを意欲的に実行するなら、またシリアの反体制派が武器と訓練を安定して供給されるなら、このポーズは多方面の戦線を強いられるアサド政権内部に恐怖を引き起こすかもしれない。こうした動員のかけ方が、おそらくシリア軍指導部に自分たちを守るためにもアサド追放の確信を与えるにちがいない。もしその他の勢力がきちんと連携するなら、このさらなる圧力はシリア内部の情勢を決定的に反アサド側に傾かせることができる、と提唱者は主張している。」(ブルッキングス研究所「体制転換オプションの評価」6ページ
 当然のことながら、シリア内部への空爆は「ポーズ」を越えており、まさにイラン攻撃にかんして計画されていたとおり、またブルッキングスの 記事「ペルシャへの道はどこ?」でも記されていたように、おそらく漸進的な介入のための第一の悪役としてイスラエルを選んだと思われる西側諸国の自暴自棄ぶりを示すものである。

イランにかんするブルッキングスの記事「ペルシャへの道はどこ?」では、次のように明 確に表明されている。(強調点追加)
「イスラエルはこうした攻撃のためにすでに広範囲にわたる計画と実行をしたかのようにみえ、おそらくすでに軍用航空機は可能な限りイラン近くの基地に配備されている。このように、気候および諜報の条件次第であるが、必要ならばイスラエルはここ何週間あるいは数日の間でさえ攻撃を浴びせることができるかもしれない。もっと言えば、まして作戦に対する地域の支持を得る必要性(ましてや利益)がほとんどない以上、おそらくエルサレムは攻撃をしかける前にイランの挑発を待ちたいなどとは考えないだろう。手短に言えば、もしイスラエル、アメリカ双方の指導者がこれを欲するなら、このオプションを実行するために非常に迅速に動くことが考えられる。
ところで前章でも述べたように、まさに空爆それ自体は、じっさいこの方針の出発点にすぎない。もう一度言うが、疑いなくイランは核施設を再建するだろう。彼らはおそらくイスラエルに対して報復するだろう。そして、米国にも報復するかもしれない(アメリカの空爆さらに侵略という口実をつくって)。」(ブルッキングス研究所「ペルシャへの道はどこ?」91ページ
この声明において、われわれは、その短い歴史を一貫しているイスラエルのもう一つの顔である不合理で好戦的な姿勢と、同様にシリアに対するごく最近のいわれのない侵略行為の、双方の背後について洞察を得ることができる。イスラエルの役割は、「悪役」を演ずることである。西側の企業投資家たちの利害のための地域的な橋頭保として、西側が望んだ数多くの紛争のどれにもその「足掛かり」を提供している。シリア爆撃によって、イスラエルはさらに広範な紛争を引き起こすことを望んでいる。―その紛争とは、2011年にイスラエルがシリアの暴力的な争いを開始させて以来、西側が熱望し計画してきた軍事介入である。

シリアとその同盟国にとって、―目標は現在、イスラエルのさらなる攻撃を思い止まらせ、いかなる犠牲を払ってでも紛争の拡大を避けることでなければならない。もしNATOの代理テロリスト部隊が、―戦術的あるいは戦略的な利益を生み出す能力がなく自暴自棄的なテロ攻撃が先細りになって―彼らの弱点をさらすなら、NATOのキャンペーンが機能しなくなるのは時間の問題にすぎない。前にも指摘したようにNATOサイドのこうした失敗は、イスラエルにとって、そして地政学的な覇権を達成する手段としてイスラエルを利用してきた西側諸国の利権にとって、終わりの始まりとなるであろう。

イスラエルは、―その指導者がイスラエルの人民あるいは彼らの最善の利益(平和ばかりかその生き残りをかけて)ではなく、外国の企業投資家の利害を直接に代表するなら、シリアおよびイランを挑発するためにますます自暴自棄の行動を犯すだろうことを予想すべきである。イスラエル人民のためには、自分たちの指導者が実際は彼らをあるいは彼らの最善の利益を代表するものではなく、外国や企業投資家の利益および世界的な覇権維持のための仕事の中で国民の生命と財産を浪費することができ、そのように意思し、そうすることを熱心に望みさえしていることに、国民は気付かねばならない。

(以上、パレスチナ連帯・札幌:松元保昭訳)

 

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