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 イスラエルが米海軍とともにシリア沖の東地中海でミサイル発射訓練を行った。真打登場!いままで黒い幕の後ろに控えていた主人公がようやくその素顔を海面から持ち上げ白日の下にさらし始めたようである。ダマスカスへの道はテヘランに続く。戦場の惨劇が全中東からユーラシア全土を目指して広がろうとしている。悪魔どもの「偽の旗」が降ろされることはあるまい。
(参照:イスラエルのシリア攻撃
(参照:Chemical weapons sent from Turkey to Syria: Former Turkish provincial official
  ※ シリアで使用された「化学兵器(サリン)」はトルコから運びこまれたものだった。
    この記事にはイラン国営PressTVが証言するトルコの元市職員のインタビュー・ビデオが付けられている。

 以下に掲げるのはオタワ大学経済学教授ミシェル・チョスドフスキーによる次の論文の和訳(暫定訳)である。

US and Allied Warships off the Syrian Coastline: Naval Deployment Was Decided "Before" the August 21 Chemical Weapons Attack
http://www.globalresearch.ca/massive-naval-deployment-us-and-allied-warships-deployed-to-syrian-coastline-before-the-august-21-chemical-weapons-attack/5347766
 著者はこの文章の中で、オバマが時間を稼ぎながら着々と準備を進めている軍事侵攻が8月21日の「化学兵器攻撃」の以前に決定されていたものであること、それを知って迎え撃つ姿勢を強めるロシアとシリア、戦争の中東地域への全面的な拡大の危険性を訴える。

 「偽の旗作戦」《でっち上げ+プロパガンダ+軍事行動》の3点セットで現れる。チョスドフスキーはその中で特にプロパガンダの重要性を取り上げ、『戦争プロパガンダ、つまりメディアの嘘は、戦争行為の最強の装備を形作る』、『政策決定を行う上部階層内部での意思一致の確立にとって最も重要なものである』と語る。我々は過去の実例からいくらでも学ぶことができる。米国‐NATO‐イスラエルの戦争の前には、間違いなく新聞紙面とTVスクリーンの上に戦争合理化の扇情的な大宣伝が開始される。戦争は常に「正義と民主主義の名において」行われ、戦争が「平和と民主主義の道具」であるという確信の下に、あらゆる残虐行為が正当化されるのだ。
 そしてあの悪魔どもに組織されたプロパガンダ機関は、いわゆるマスメディアだけではなく、『「進歩派」を自称するオールタナティヴ・メディア部門』を含む。チョスドフスキーはそれが『NATOの「保護責任(R2P)」の委任統治に正当性を提供して』きたことを指摘し『その反戦運動の擬態を剥ぎ取る』ことを呼びかける。その戦争プロパガンダを無力化させることが、軍靴を止めさせ我々の生きる世界を動乱と破壊と監視社会化から守るための、最大の効力を持つ方法なのだ。
(参照:ねつ造されたシリアの宗派間戦争
(参照:シリアの化学兵器物語り:人道的大惨事を後押しした米=NATOの計画とは?

 そしてその様子が1898年の米西戦争から本質的に変わっていないことに注目すべきである。100年以上も前に米国民の「正義、自由、民主主義」嗜好を刺激しながら戦争熱を煽るイエローペーパー(当時の「オールタナティヴ・メディア」)の果たした仕事は、より強力な形でその後継者に引き継がれ、実際上、大手商業メディアをすら従わせている。それはもはや「公的権力の一部」と言うことができる。キューバとフィリピンでスペインからの独立運動をたきつけ支援すると同時に、そのプロパガンダで戦争意思を打ち固めさせ、極めて疑惑の多いメイン号事件を引き金にして軍事行動を起こし、旧スペイン領をことごとく事実上の植民地とした米帝国の戦争政策は、21世紀にその完成形を見せているようだ。しかしその基本パターンは変わらない。「オールタナティヴ」を含む御用メディアこそが最強の「大量破壊兵器」といえる。常に《大嘘の大名行列》の後に軍靴が続き、戦争詐欺と政治詐欺がそれに伴うのだ。

(2013年9月5日 バルセロナにて 童子丸開)

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米国とその同盟軍の軍艦がシリア沖に:

海軍の配備は8月21日の化学兵器攻撃の「以前に」決められた

ミシェル・チョスドフスキー教授
Global Research, September 02, 2013

写真:米海軍航空母艦USSニミッツ

 大規模な米国とその同盟国の海軍の配備がシリア沖の東地中海で繰り広げられており、紅海やペルシャ湾内でも同様である。

 この軍配備はシリアに対する即時の攻撃計画の一部ではないのかもしれないが、それはシリアの内部で恐怖と混乱の空気を作り出している。

 米海軍は水陸両用の運搬用舟艇であるUSSサンアントニオ(the USS San Antonio)東地中海に配備した。このサンアントニオは米軍の5隻の駆逐艦と合流しているのだが、この駆逐艦隊は「シリアに対する可能性あるミサイル攻撃のために持ち場についていると、ある国防総省の高官は日曜日に語った」ものである。

USSサンアントニオは、数多くのヘリコプターと何百名もの海兵隊員を載せているのだが、「東地中海に停泊中」だが「何か特別の任務を負っているものではない」とその国防総省高官は匿名を条件に語った。(US Navy deploys five warships, one amphibious ship to Mediterranean for Syria
 USSサンアントニオが水陸両用の装備を持っており、それはおよそ6千人の海軍兵士と海兵隊員を上陸させることができるのだが、しかし「地上軍は投入しない」という公式のお題目を保っている。

 しからばいったいなぜ、米国はその最新鋭の上陸用水陸両用艇を配備したのか? この報道はそれが通常の動きであり攻撃計画ではないことを示唆する。
「しかしながら、バラック・オバマ大統領がいかなる『地上軍投入』をも除外したように、任務に就いている水陸両用艇は存在しない。(同上)」
写真:水陸両用艇USSサンアントニオ


USSサンアントニオ

 いま現在5隻の駆逐艦がシリア沿岸沖にある:それらはUSSスタウト(the USS Stout)、マハン(Mahan)、ラメージ(Ramage)、バリィ(Barry)、グレイヴリィ(Graveley)で、言うまでもなくそこに上陸用水陸両用艇サンアントニオが加わる。

 これらの駆逐艦はトマホーク巡航ミサイルを装備しており、それは「オバマが命令を下せば・・・発射できる準備が整っている」。

 8月28日に米国海軍はアーレイバーク級の駆逐艦USSスタウトを他の4隻の駆逐艦と同行するように配備したことを発表したが、それは「シリアのバシャール・アル・アサド大統領の政府が8月21日に国民に対して化学兵器を使用したという憶測の真っ只中」のことだった。

 特に珍しくもないねじれ現象なのだが、この米国と同盟者たちの海軍の軍事行動は、バシャール・アル・アサド大統領が非難の的になっている化学兵器攻撃よりも先んじていたのである。

 海軍の記録によると、巡航ミサイル駆逐艦USSスタウト(DDG 55)は、「米国第6艦隊の担当海域に配備されるために」バージニア州ノーフォークの海軍基地を2013年8月18日に出航した。(8月18日にノーフォークを出航する下の写真を見よ。)

 USSラメージ駆逐艦はノーフォークの海軍基地を8月13日に発ち「マハンを援護するために」東地中海に向かった。

 ところが実際に決定されたことはこれら5隻の駆逐艦全部のシリア沿岸への配備だったのである。このペンタゴンによってなされた決定は、オバマの人道的見地に基づいた介入への口実となった8月21日の化学兵器攻撃の以前のことだったのだ。
 この水陸両用の運搬用舟艇であるサンアントニオは、第26海兵隊派遣部隊の要員・装備を運んでいるのだが、ある国防総省高官はそれが東地中海の5隻の駆逐艦に合流したことを明らかにした(8月30日)。
 「現時点では何か特別な任務を負っているものではない」とその高官は匿名を条件に語った。「サンアントニオは、ある慎重な決定がその能力が必要とするような事態に備えて、その海上に留まっている。」
 シリア近海に配備される5隻の駆逐艦はバリー、グレイヴリー、マハン、ラメージそしてスタウトである。
 海軍は従来から地中海に3隻の駆逐艦を配備しており、ラメージとスタウトは、今月現地に着いたときにマハンとグレイヴリーとそれぞれ交替するように想定されていた。しかし高官たちは米国が攻撃を考慮する場合に備えて5隻の全てをそのまま留まらせるように決定した。それぞれの駆逐艦は、通常の任務中にはもっと少ないにせよ、90基のトマホーク巡航ミサイルを装備する能力を持つ。(
marinecorpstimes.com, August 30, 2013
写真:駆逐艦スタウト

(写真説明:8月18日にノーフォークを出航するUSSスタウト。スタウトは2011年のリビアに対する米国‐NATOのオデッセイの夜明け作戦の一部で使われた。)

 この戦略潜水艦をも含む大掛かりな海軍の配備は、8月21日の悲劇に先立って命令されたものである。次の疑問が起こる。
もし化学兵器攻撃が軍事介入を正当化させるのなら、どうして8月21日に「先立って」シリアに対する「人道的」保護責任(R2P)の海軍の作戦開始が命令されたのか?
8月21日の化学兵器攻撃の時期と出来事について前もっての知見あるいは諜報があったのか?
 即時で短期間のシリア攻撃は考えにくい。オバマは8月31日に米国議会の公式な承認を求めることを通告した。議会は9月9日に再開されるのである。

 米国に支援されるアルカイダ反乱者(合同特殊部隊によって勧誘され訓練を受けている)が化学兵器をその所有する装備の中に持っている証拠を独立した情報が提供しており、この決定の遅れは大統領の政治的信頼にとって得となるものではない。

 さらに、米国が支援する反乱者たちがシリア国民に対して化学兵器を用いた証拠がある。(右の写真を見よ。)

写真:シリアのアル・カイダ・テロリスト

 アル・カイダの「反乱者たち」に化学兵器を提供することで、米国‐NATO‐イスラエル同盟は国際法を犯しているのだが、彼ら自身の反テロリズムの法律にすらそむいていることは言うまでもない。

 アル・カイダへのあからさまな支援は「新たな日常」になってきている。

 様々な証拠の数々が一つに集められるとき、そこに浮かび上がる姿は、米国に支援された「反乱者たち」と特殊部隊によって遂行されている隠密な「偽の旗作戦」のものである。その目的はバシャール・アル・アサド大統領を自らの国民を殺したと非難することである。先に述べたとおり、海軍の配備は事前に、つまり8月21日の化学兵器攻撃以前に、決定されたのだ。

 この、一般市民を殺しておいてそれをシリア政府のせいにするという極悪非道な偽の旗攻撃は、「人道的見地」に基づく軍事介入の口実を形作る。

 米国とその同盟者たちはシリア沿岸沖にその海軍力を配備しつつある最中だ。

 ペンタゴンは航空母艦USSニミッツとその空母打撃群がインド洋から紅海の内部に移動したことを明らかにしている。しかし高官の声明によれば「それは米国のシリアへの限定的軍事攻撃計画の一部として命令されたものではない」。
「その高官は、空母打撃群には何かの任務は与えられておらず、紅海への移動は『手元の選択肢を最大限にする』ためにその能力が必要とされるような場合に備えて、配慮されたものである、と語った。」
 USSニミッツとその空母打撃群にあるその他の舟艇は次のとおり:USSプリンストン(USS Princeton)と3隻の駆逐艦USSウイリアム・P.ローレンス(USS William P. Lawrence)、USSストックデイル(USS Stockdale)そしてUSSシャウプ(USS Shoup)。

写真:USSニミッツ

 最新のレポートによれば、航空母艦USSハリー・S.トルーマン(The USS Harry S. Truman)とその空母打撃群がアラビア海北部にいる。

 一方で複数の情報が、フランスが対空戦用フリゲート艦「シェヴァリエ・パウル(Chevalier Paul)」を東地中海に配備したことを明らかにしている。このフランスの軍艦は米国と英国軍艦の船団に加わっているのだが、「それは米海軍の駆逐艦と英国・米国の潜水艦を含み、それらはトマホーク巡航ミサイルを装備している」。

 シリアはフランスのメディアの中で挑発者として描かれている。

 軍艦シェヴァリエ・パウルはフランスの「ホライズン級の最新鋭駆逐艦の一つであり、…、(それは)もしシリアが国際船団に対する空襲を決定した際に『極めて有効なもの』となるだろう」。
フランスの原子力空母シャルル・ド・ゴールがフランス南部のトゥーロンの軍港に停泊していると複数の通信社は伝える。

シリア沿岸にあるロシアの軍艦

 緊急事態が訪れている。

 モスクワは、シリア南部のタルトゥスの港にあるロシア海軍基地から展開される海軍力を高めるために東地中海に2隻の軍艦を派遣しつつある。
その通信社は、1隻の対潜水艦舟艇と1隻のミサイル搭載舟艇が、海軍力の「何らかの調整の実行が必要とされる」状況に備えて近日中に派遣されるだろう、という軍参謀部の資料を引用した。(French and Russian warships 'head for Syria' - SYRIA - FRANCE 24

シリアの防空システム

 ロシア製のS‐300が機能している。シリアのS‐300地対空ミサイル・システムの配備は、2006年以来ロシア国防省の計画にのぼっていたものである。

写真:SA12-3000地対空ミサイル

 シリアはまた、ペチョラ‐2M防空システムを持っている。このペチョラ‐2Mは巡航ミサイルに対しても使用できる洗練された多重目標地対空ミサイル・システムである。

 もしこの防空設備が配置についていなかったとすれば、米国‐NATOによる「飛行禁止区域」の設定が間違いなくもっと早い時期に実現されていたことだろう。

写真:ペチョラ‐2M防空システム

(写真の説明:このペチョラ‐2Mは近距離地対空防空システムであり、航空機、巡航ミサイル、攻撃用ヘリコプターそしてその他の地上と低中高度にある防空目標の破壊のために設計された。)

 さらには、米国とその同盟国のトルコへのパトリオット・ミサイル配備に対する返答として、ロシアは進化型のイスカンダル・ミサイルをシリアに配備した。これはいま十分に運用可能である。

 このイスカンダルは「いかなるミサイル防衛システムにも追跡・破壊されない」地対地ミサイルと言われている
 進化型イスカンダルは秒速1.3マイル(音速の6〜7倍)の超音速で飛ぶことができ、280マイルにおよぶ射程距離で1500ポンドの弾頭を用いてピンポイントの正確さで目標を破壊できるという、あらゆるミサイル防空システムにとっての悪夢である。
画像:Iskandal Mach 6-7


結論として強調すべきこと

 世界は危険な十字路に立っている。

 東地中海における米国‐NATOの軍艦を用いる米国とその同盟国の海軍配備は、タルトゥスにあるロシア海軍基地のロシア軍艦の配備に隣接している。

 シリアは、米国に支援される攻撃が起きた場合に使用されるはずの進化した防空システムを持つ。ロシアの軍事顧問たちがシリア軍を援助している。

 またシリアは強力な地上軍を持つ。

 シリアは最近の数年間でロシア製S‐300システムの配備と設置によって防空能力を高めている。

 歴史は我々に、戦争がしばしば「政治的な過ち」と人的エラーの結果として思いがけなく勃発することを教えている。後者(人的エラー)はむしろ米国と西欧の分裂し腐敗した政治システムの範囲の内側にあるようだ。

 米国‐NATOの軍事計画は中央集権化した軍のヒエラルキーによって監督されている。指令・制御の作戦は、理屈の上では「協調している」のだが、しかし実際にはしばしば人的エラーに彩られる。諜報要員たちはしばしば独立して政治的な責任の範囲外で活動している。

 軍事計画者たちが戦争拡大の危険性を強く懸念する一方で、経済利権を支配するように対応する文民政治家たちは最終的に主要な戦場を作り上げる決断をする。

 シリアに対する米国‐NATOの直接軍事介入のいかなる形態も、この地域全体を不安定化させ、それが広大な地政学的領域にわたって激化し、東地中海からタジキスタンと中国とに国境を接するアフガニスタン‐パキスタンにまで拡大していくかもしれない。

 軍事作戦は入り組んだシナリオとともに、進歩した兵器システムに適した軍事的選択肢を用いる双方の戦争ゲームによって成り立つ。第3次世界大戦のシナリオは米国‐NATO‐イスラエルの軍事計画者たちによって2000年の早期から考案されてきたものなのだ。

 拡大は軍事アジェンダにとって不可欠な要素である。シリアとイランを攻撃するための戦争準備が長年の間で「機の熟した状態」となってきている。

 我々は、強力な経済利権グループや隠密な諜報機関員の活動との相互作用を含む、複雑な政治的・戦略的な政策決定について取り扱っている。

 シリアのケースでは、米国の諜報機関とその西欧やイスラエルの同業者たちが、アルカイダの傭兵と殺人部隊によって盛大に行われる武装反乱を支援している。

 戦争プロパガンダの役割は、世論を型にはめて戦争アジェンダの容認に向かわせるだけではなく、政策決定を行う上部階層内部での意思一致の確立にとって最も重要なものである。政府機関、諜報機関、軍部、法執行機関等々の「最高幹部(TOPOFF)」は、戦争と警察国家化にとって有利な堅固なコンセンサスを産み出すように仕向けられているのだ。

 戦争計画を前進させるために、政治面と軍事面双方の計画者たちが「正義と民主主義の名において」正当に戦争を導くことが肝要である。これを起こすために、彼らは自分自身のプロパガンダを、つまり戦争が「平和と民主主義の道具」であることを、固く信じなければならない。

 彼らは進歩した兵器システムによる破滅的な衝撃について何の関心も持たず、それはいつも通り「付帯的な損害」と分類される。核兵器を用いる先制攻撃の意味と重大さについては言うに及ばない。

 人道的な戦争というコンセンサスが、それは世論の重要な部分が戦争仕掛け人たちに対してとるスタンスだが、極めて脆弱な意志であることに注意すべきである。

 戦争は軍部によってよりもむしろ文民指導者と企業の利益によって、避けがたいものとして決定される。戦争は戦場の背後から、つまり企業の企画室やワシントンのシンクタンク等々の閉ざされた扉の背後から指揮する、支配的な経済的受益者たちに仕えるものである。

 現実性がひっくり返る。戦争は平和である。嘘は真実となる。

 戦争プロパガンダ、つまりメディアの嘘は、戦争行為の最強の装備を形作る。

 メディアによる偽情報がなければ、米国‐NATO‐イスラエルが導く戦争日程は一組のカードのように崩壊することだろう。指導部の戦争犯罪の合法化は破綻することだろう。

 したがって、主流メディアのみならず、「進歩派」を自称するオールタナティヴ・メディア部門をも無力化させることが根本的に重要である。後者は、NATOの「保護責任(R2P)」の委任統治に正当性を提供してきており、主要にその反戦運動の擬態を剥ぎ取ることを目指すことである。

 テヘランへの道はダマスカスを通る。対イラン戦争は、その第一歩として国民国家としてのシリアの不安定化を伴うだろう。シリアに関する軍事計画は対イラン戦争アジェンダにとって必須のものである。

 対シリア戦争は、イランに対して向かう米国‐NATO‐イスラエルの軍事キャンペーンに向かって進化するかも知れない。それにはトルコとイスラエルが直接に関わることになるだろう。

 この言葉を広めメディアの偽情報の通路を破壊することが決定的に重要である。

 シリアで起こっていることへの批判的で偏りの無い理解が、中東地域の全面戦争に向かう軍事行動の拡大の潮流を逆転させるために、決定的な重要性を持っている。

 我々の目標は最終的に、米国‐NATO‐イスラエルの軍事工場の覆いを剥ぎ取り世界の平和を復活させることだ。

 米国、カナダ、英国、フランス、イタリア、トルコそして世界中の人々がこの戦争の勃発を防ぐことが根本的に重要である。

アップデイト2013年9月3日

【翻訳、ここまで】

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