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暴徒の群れを操縦するプロの手口が明らかに 

オデッサ虐殺での挑発と扇動


 合法的なデモや集会に挑発者が紛れ込んで暴力沙汰を起こしそのデモや主催者の信用を貶めることは、どこの国でもよく見られる。「その道のプロ」が何らかの運動に加わり扇動してあらぬ方向に引きずって運動自体を潰したり、それに反感を持つ群衆を挑発し意図的に興奮させて襲撃させて潰すようなことが昔からどこででも行われているはずだ。過激な暴力事件をでっちあげて世論誘導を行うこともまた普通に行われてきた。もちろんそれにはマスコミの全面協力が必要不可欠となる。

 今まではそんなことが起こっても、それを指摘すると「証拠が無い」とか「妄想」、「陰謀論」などと揶揄されて、物事は当局発表の筋書き通りに理解されてきた。しかし現代は「情報戦争の時代」なのだ。意図的な扇動や挑発の行為を明らかな証拠を付きつけることで暴露することが可能になってしまった。挑発者とその背後にいる者たちはもはや逃げも隠れもできまい。当局発表の筋書きは単なる「紙切れ」になって打ち捨てられるだけであり、それに寄りかかって様々な「論評」を作ってきた愚かな論者の居場所は、もはやどこにもなくなるだろう。

 先日(5月2日)にウクライナのオデッサ市で起こった悲惨な虐殺事件は、単に「親キエフ派と反キエフ派の衝突の結果」ではなく、このような結果となるように計画され、意図的に挑発され扇動された暴徒を操って、必然的にこの結果が起こるように導かれたものである。以下に、次のRT記事の和訳といくつかの写真(多くがビデオの静止画像)を掲げておくが、詳しくは下記のRT誌のUrl(あるいは訳文中のUrl)でビデオをご覧になりながらお読みいただきたい。(右クリックから新しいタブかウインドウで開いていただければ見やすいだろう。)
Provocation gone wrong: Murky forces instigating Odessa violence? 
 http://rt.com/news/156744-video-footage-odessa-fire/

 この程度の工作ならばキエフに駐在する(西側報道機関もすでにこれを認めている)数十名のCIAやFBIの局員たちの手を借りなくても十分にできるはずだが、アメリカ側も事前にこんな事件が「起きる」ことを知っていたと考えるべきだろう。なお、訳文中の【赤い文字】は、ビデオや写真についての私からの説明であり、念のために写真やビデオのUrlを記しておく。

【参考資料として次の情報をお読みになることをお勧めしたい。】
キエフと右派セクターによるオデッサ水晶の夜 (写真・閲覧注意!) 「マスコミに載らない海外記事」より
America’s Neo-Nazi Government in Kiev. Towards a Scenario of Military Escalation? Global Researchより
How Neo-Nazi Thugs Supported by Kiev Regime Killed Odessa Inhabitants. Photographic Evidence Global Researchより

2014年5月6日 バルセロナにて 童子丸開

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挑発が惨事につながる : 闇の力がオデッサの暴力を煽ったのか?
2014年5月5日

【ビデオ@:RTニュースのビデオ:ダウンロードしてください(少し時間がかかります)】
http://img.rt.com/files/news/26/44/80/00/1586596_piskunov_web_480p.mp4?event=download

 金曜日に何十人もの命を奪ったオデッサでの血にまみれた事件の間に撮影されたビデオ映像が、あるもっと面倒な画像を見せてくれる。挑発者たちが暴力を煽っているのだ。

 ウクライナ当局者たちは、労働組合会館での
悲劇的な火災につながる衝突を開始したとして自治賛成派活動家たちを非難した。内務大臣は、反キエフ活動家たちが避難所としてそのビルに入り込む前にキエフ政権支持者たちを襲い、そして火炎瓶を群衆に向かって投げたことが火災を引き起こしたと語った。

 ロシアのチャンネル1TVは、一般的に手に入るYouTubeビデオの映像を使って出来事を時系列に整理し、金曜日のオデッサで起こったことの詳細を再現してみた。
【訳注:上のRT製作のビデオ@には、このチャンネル1TVの作った映像の全部が映されてはいないようで、以下の説明にある事柄の一部は、この記事で紹介される映像では確かめることができない。】

 それはチェルノモレツ・オデッサとメタリスト・カルコフの間で行われたサッカーの試合で始まった。この地域に政治的な緊張が高まっているにもかかわらず、当局者たちは試合の開催を許可し、何千人かのキエフを応援するサッカーファンをこの街に到着させた。

 試合に続いて、およそ1500人のキエフ・サポーターとサッカー・ウルトラ【訳注:サッカー応援にかこつけて暴力沙汰を起こすならず者集団】 たちがウクライナ統一を支持するデモ行進に参加するためにやってきた。

 民族主義者たちは「ウクライナに栄光を」と「敵に死を」また同様に「露助どもをナイフで刺せ」と歌いながら市の中心部に向かって進んだ。グループ中の一部の者たちはウルトラ・ナショナリストの印をつけていた。彼らはチェーンとバットで武装して盾を持っていた。

 暴力は、親キエフの群衆が、反政府活動家のように見える者たちと出くわしたときに開始された。彼らはセイント・ジョージのリボン ― それは自治賛成派の印なのだが ― を付け、そして赤い帯を服の袖に巻いていた。このシーンに登場する武装警官の一部が同じ赤い帯を袖に巻いていた。
【ビデオ@からの静止画像:赤と黄色のリボンがセイント・ジョージの印。赤い帯を腕に巻く者がいる。】


【ビデオ@からの静止画像:警官の中にも赤い帯を腕に巻く者が見られる。】


【ビデオ@からの静止画像:オデッサ警察幹部の一人だが…】


【ビデオ@からの静止画像:先ほどの警察幹部が「反キエフ活動家」(?)と何やら親しく語り合う。この点は逆にRTの説明には書かれていない。このシーンの後でも他の「反キエフ活動家」が別の警察署員と話し合っている姿が映されている。】


【原文にある写真:赤いリボンを袖に巻く男たち。(赤い丸内)一人はピストルを思われる物を握っているが付近の警察官は素知らぬ顔をしている。これはおそらくチャンネル1TVが製作した映像の一部だろうが、確認できない。】

【写真画像】 http://rt.com/files/news/26/44/80/00/cca0fa76668c35c7ec4f0fe9ef1442c4.i600x405x475.jpeg

 続いて、反キエフ活動家のように思える見るからに少数のグループが、デモ行進に向かって攻撃を仕掛けた。明らかにデモ参加者を挑発しながらである。ビデオ映像は次に、赤い帯を付けた小グループの男たちが親キエフの群衆を別の方向に向かっておびき寄せている様子を映し出している。

 ある地点で警官隊の列がサッと開いてその間から赤い帯を巻いた男たちを通し【下のビデオAの2分30秒前後】、その後に再び閉じた。一つのビデオがその次に、一人の男が警官の列の後ろに立って親キエフの群衆に銃を向けている【ビデオAの5分45秒以降】姿を映し出す。
【ビデオA】
https://www.youtube.com/watch?v=eBofgPq1EUs

【ビデオAからの静止画像:警官隊が道を開けて「反キエフ活動家」たちを通す。警官隊の列の前にいるオレンジ色のヘルメットを付けた男は、このシーンの後でも大げさな身振りで盛んに群衆を扇動しているが、きっとこの作戦の「指揮者」なのだろう。】


【ビデオ@からの静止画像:一人の非常に目立つ姿と体躯をした男が親キエフ派の群衆に銃を向ける。発砲しているようには見えないが、遠くからでも見えて明らかに挑発的に映ることだろう。】


 この挑発が、衝突の引き金を引くことに成功した。双方が石を投げ始め銃声が聞こえた。
【ビデオB】
https://www.youtube.com/watch?v=j-nbK475E44

【ビデオBからの静止画像:双方が激しくぶつかる映像。扇動され興奮し切った親キエフ派の姿が印象的だ。】


 あの反キエフ活動家に思えた者たちはその時には姿を消し、怒り狂う親キエフ・サポーターたちが、労働組合会館前に陣取る反対派のキャンプに向かった。

 ところが、あの赤い帯を付けた元々の襲撃者たちは誰一人そこにはいなかった。そのかわり、何十人かの自治賛成派活動家たちがキャンプを取り囲んでいた。その活動家たちが怒り狂う暴徒が現われるのを見たとき、彼らは労働者会館の中に避難したのだ。
【ビデオC】
https://www.youtube.com/watch?v=s9AMjLBIliw

【ビデオCからの静止画像:労働組合会館前のテント村が焼き討ちされる。】


【ビデオCから:火炎瓶が投げられ労働組合会館に火が放たれる。】


 火事の生存者たちは、扇動された暴徒たちから逃げるために労働組合会館の中に立てこもるしかなかったと語る。暴徒はそのキャンプに火を付けたのだ。
【ビデオD】
https://www.youtube.com/watch?v=FQYIhwFtsUE

【ビデオDからの静止画像:上層の階から飛び降りる人の姿が映る。】


 過激派たちは労働組合会館に向かって火炎瓶を投げ始め火を放った。何とか炎を逃れた者たちは燃えるビルを包囲する者たちにビルの外で激しく殴られたと、目撃者は語る。
【ビデオE】
https://www.youtube.com/watch?v=3BEpOT6_nOU

【ビデオEからの静止画像:火炎瓶は明らかに外から投げつけられている。】


 しかしウクライナの内務大臣は起こった出来事について異なる説明をしてみせる。この暴力沙汰の犠牲者は上の階から火炎瓶を投げ始めた際に自ら火災を発生させたと言うのだ。

 ところが、この事件についての数多くのビデオは火炎瓶がビルの外側から飛んできたことを明示している。他に、数名の過激な親キエフの者たちがビルの内部にもおり、ウクライナの旗を振っている姿を映しているビデオもある。

 誰であってもこういった証拠を見れば、正体不明の力が暴力を煽りたてる間にサッカーファンが操られてしまったのかもしれないという結論に達することになる。

【ビデオ@からの静止画像:血に塗られた労働組合会館(おそらく外側)。】


【引用、訳出ここまで】
 

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