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21世紀の虚構の原点 9・11未解決事件

WTCツインタワー上層階の落下が示す真実(第3部)

 これは「21世紀の虚構の原点 9・11未解決事件 WTCツインタワー上層階の落下が示す真実(第2部)」の続きである。
 また「資料 ツインタワー:「飛行機激突の衝撃」と「火災の熱」 」を参照のこと

 この9月初旬にウェールズで開かれたNATOの総会は2003年の国連を彷彿とさせるものだった。大嘘でイラク戦争を世界に押し付けたブッシュとブレアーに、いの一番に尻尾を振った国家首脳の一人が当時デンマーク首相のネオリベラリスト、現在NATO事務総長のアナス・フォー・ラスムセンだったのだ。あのとき「サダムの大量破壊兵器」の「確たる証拠」として取り上げられたのが心霊写真ほどにも信憑性の無い衛星写真と「移動化学兵器工場」のお粗末な想像図だったのだが、今回もまた「ロシアによるウクライナ侵略の確たる証拠」とかいう“衛星心霊写真”が取り沙汰される。11年前にニベもなく騙された人々がまたしてもやすやすと「疑似餌」に引っかかって釣りあげられないことを祈りたい。

 またあの当時、ブッシュ、ブレアーと並んで戦争の「旗揚げ式」の音頭を取ったのがスペインのネオリベラリスト、ホセ・マリア・アスナールだったが、彼の米国ネオコンへのすがりつきはスペインの経済界に濡れ手に粟の「イラク戦争・復興特需」という浅はかな夢のバブルを掻き立てた。その戦争屋のおこぼれ頂戴の夢は哀れにもはじけ飛び、2004年の3月11日に起きたマドリッド列車爆破テロ事件によって国民党政権は崩壊した。しかし下野した国民党とその周辺の盗人どもは、サパテロ社会労働者党政権の無能と無見識を利用しながら、2007年まで続く土建屋バブルの中で濡れ手に粟の利権あさりに奔走し、後の国家破産の元凶となった。そのアスナールの後継者で破産処理係の現首相のマリアノ・ラホイは、自分が擦り寄るアメリカとNATOによるロシアへの難癖付けと制裁が、ヨーロッパ経済を破綻に追いやりすでに生けるゾンビとなったスペイン経済を消滅させるだろうことなど、夢にも思っていないようだ。

 もう一人、イラク開戦直前にアゾレス諸島で行われたブッシュ・ブレアー・アスナールのBBA三馬鹿揃い踏みの舞台を整えたのが、欧州委員会委員長を務めるジョゼ・マヌエル・ドゥラン・バローゾである。彼のEUがIMFや欧州中銀とトロイカを組んで南欧・東欧諸国を借金返済の自転車操業に追いやっているわけだが、この人物にとって出身国ポルトガルの「99%」の運命など単なる踏み台でしかない。その顔は、やはりアメリカやイギリスの「99%」を踏みつけて米欧の戦争屋と金融寡頭支配者のために働くしか能の無いオバマやキャメロンと同様に、もはや悪魔憑きの形相を見せる。

 米欧の悪魔憑きどもは今また、中東で自分たちがカネと武器と技術を与えて大切に育てた「イスラム国」を相手に「対テロ戦争」を叫び、そのウクライナの同類がロシア系住民の民族浄化に抵抗する戦いを「テロ」と呼ぶ。こういったカネと暴力と嘘で世界を支配するおぞましい連中が刑事被告人として裁かれるときが来るまで、2001年の9月11日の犠牲者が浮かばれることはあるまい。それが現在の虚構による情報ファシズムと暴力の世界支配、そして「99%」の貧民化の起点となったからだ。

(2014年9月7日 バルセロナにて 童子丸開)

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【目次】 下線部をクリックすればそれぞれの項目に飛ぶことができる。
   (7)解けて流れる灼熱の金属
   (8)消えた回転の謎
       (A)第2ビル(南タワー)の崩壊開始の奇妙さ
       (B)なぜ傾いた?なぜ回転した?
       (C)回転が止まった?転がり落ちなかったのはなぜか?
   (9)事実が非現実とされるとき

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(7)溶けて流れ落ちる灼熱の金属 【目次に戻る】

 WTC第2ビル(南タワー)は2001年9月11日の午前9時59分に崩壊した。このビルへの大型ジェット機激突が9時03分のことであり、そのわずか56分後に、上から下まで、いかなる塊状の構造をも残すことなく、全面的に崩れ去った。その崩壊の様子はこちらのサイトに収められるビデオで見ることができるが、その全体像は次の3つのビデオが最も分かりやすいだろう。
      https://www.youtube.com/watch?v=3NQY3YRBgSo
      http://www.youtube.com/watch?v=zp956kwEf1M
      https://www.youtube.com/watch?v=DifdrPTerhE

 しかしこのビルについては崩壊の様子以外にも他のいくつかの注目点がある。その一つ、崩壊を開始する直前に80階付近の北面東側から大量の溶けた鉄(鋼鉄)と思われる灼熱の流体が溢れ出ていた。次のビデオを参照のこと。
      http://www.youtube.com/watch?v=1zZtiUTt_yY
      http://www.youtube.com/watch?v=cj23kbKraKE 
           http://www.youtube.com/watch?v=sxXdI4hLWkE

 これらに映っている黄白色〜オレンジ色に輝く灼熱の流体は、どう見ても融解した鉄(鋼鉄)のように思える。 他にこのような色の輝き方をする流体の実例があるだろうか。私は知らない。 ビデオのシーンを三つほど取り上げておこう。


 細かい「しぶき」となって壁面に沿って流れ落ちる。 この「しぶき」の表面温度にしても1000℃をはるかに超えているように見える。同じ光や似た大きさで散らばっていくところを見ると均質の流体のようだ。


 落下する「滴」の一つが外壁に当たって砕け黄白色に輝く「しぶき」を激しく散らす。表面は薄く固化していても、この「滴」 はその中心部に1500℃を超える液体状の部分を持っているのではないか。


 この現象についてNIST(米国国立標準技術院)は次のように解説している。
 NISTは、この熔解した物体が飛行機のアルミニウム合金であったと結論づけた。なぜならアルミ合金は(合金の種類によるが)475℃から640℃の間で融解することが知られているからである。それは火災の付近で予想される温度(およそ1000℃)よりも十分に低い。アルミニウムが通常の火の温度で燃え上がるとは予想できないし、タワーから流れ出ている物体が燃えていたことを示す現象は何も見えない。液体になった純粋のアルミニウムは銀色に見えると予想されるだろう。しかしながら、その溶けた金属が、熱く部分的に燃えている大量の固体の有機物質(例えば家具やカーペットや間仕切りやコンピューター)と混ざっていたことは十分にありえた。それはオレンジ色の光を放つことができる。暖炉で燃える薪にずっと近いものである。見えた色はまたその表面でスラグが作られることに影響されたものであったのかもしれない。』 2006年8月「よくある質問に対する回答(2011年アップデート)」、質問21に対する回答より)

 NISTは上に述べた見方について具体的な検証作業を全く行っていない。しかしこれに関しては検証するまでもないだろう。この、いい年をした博士号取得者たちが披露する小学校低学年並みの言い訳は、まさにお笑い草でしかあるまい。上のビデオと写真で「熱く部分的には燃えている大量の固体の有機物質(例えば家具やカーペットや間仕切りやコンピューター)」がいったいどこにどのように見えるのだろうか?

 液体のアルミニウムは700℃にも満たない温度で銀色のままであり、薄暗い所でならやや赤みを帯びて感じられる程度である。そこに有機物質が混じって燃えるのなら黒い煙が方々から立ち上がるだろう。仮に全てが炭化して煙が出ない状態だったとしても、銀色のアルミの中に木炭の粒が混じった混合物なら炭素の方が軽いために必ず分離するし、写真で見るような均質な「しぶき」にはならないだろう。まして壁面に当たって輝いて砕け散るようなことなど起こりうるはずもあるまい。

 さらにNISTは「・・・十分にあり得た」とか「・・・であったのかもしれない」ことを理由に「結論付けた」。しかしこの文章は三流の文学者ではなく、理学や工学の博士号を持つ人の書いたものである。検証無しの単なる憶測を元に結論を出すような「科学的な姿勢」を、彼らがどこの大学で学んで博士号を取ったのか知らない。私が第2部の「(6)虚構が現実に化けるとき」で申し上げたように、彼らのような社会の主導的な立場にいる者たちは「それほどに」厚かましいし、ろくに調べも考えもせずにそれを鵜呑みにする人々は「それほどに」愚かなのだ。

 NISTは「火災の付近で予想される温度」を「1000℃」としているが、それは極めて根拠の薄い単なる憶測である(この点についてはこちらの『資料 ツインタワー:「飛行機激突の衝撃」と「火災の熱」 』を参照のこと)。しかし、この流れ落ちる金属と思われる物体の色(黄白色〜オレンジ)や激しい輝き方を見れば、その温度はとうてい1000℃という低温ではありえない。これが融解した鉄(または鋼鉄)ならば1500℃をはるかに超える熱がビル内に存在したことを示す。つまり、火災とは別の理由で非常な高温が作られた、ということである。(参照「9・11と実験:鋼材を溶かした硫黄はどこから来たのか」)


(8)消えた回転の謎

(A)第2ビル(南タワー)の崩壊開始の奇妙さ 【目次に戻る】

 第2ビルの崩壊は摩訶不思議な場面で始まった。以下の連続写真は次のビデオから取ったものである。
 https://www.youtube.com/watch?v=3NQY3YRBgSo
 この1分5秒付近が崩壊の開始だが、写真では0.5秒間隔で、上層のビルの塊が見えなくなる7秒後までを写している。まず、その上層の部分が崩壊の開始からどんな動きをするのかを良く見てほしい。
 (各写真をクリックすれば拡大画像を見ることができる。 )


@崩壊開始0秒:この後81階付近の
北東角(手前側の角)が崩れ始める


A0.5秒:東面(左側の面)に変化が
現われる

B1秒:東面79階から噴煙。
北面80階西側に光

C1.5秒:上層部分の傾きが目立ち
始め、79階の噴煙が激しくなる。

D2秒後:傾きは大きくなるが下層部
では79階以下に崩壊が進まない


E2.5秒:上層部分の東側で崩壊が
進行する。


F3秒:屋上北東角が見えるくらいに
上層階が短くなっている。

G3.5秒後上層の傾きが進み、
79階以下の崩壊が開始する。

H4秒:77階から噴煙が上がり、
下層部の崩壊が本格化する。

I4.5秒:上層部の傾くペースが
遅くなっていく。

J5秒:上層部の角度は最大となり、
ここで傾きを止める。

K5.5秒:上層部は角度を保って
真っ直ぐに落ちる。

L6秒:上層部の落下は速度を
上げる。

M6.5秒:上層部分が粉塵の中に
見えなくなる。

N7秒:これ以降、横への爆発的な
拡大が起こっていく。

 次は崩壊が開始した階の付近の北面を大写しにした連続写真。開始の詳しい様子がこれで手に取るように分かるだろう。
 (各写真をクリックすれば拡大画像を見ることができる。 )

(1)0秒:煙が横一列に出ている階は
80階

(2)0.5秒:81階の北東角が潰れて
崩壊が開始する

(3)1秒:北面80階西側に激しい炎
上層部分が少し傾く

(4)1.5秒:上層部の傾きは徐々に
大きくなり東側下端が潰される

(5)2秒:しかし下層部の79階より
下には崩壊が進まない

(6)2.5秒:上層部は急激に傾きその
東側下端が大きく潰れていく

 この連続写真は北面をほぼ正面から眺めたものであり、拡大画像を見れば先の連続写真よりも角度の変化が分かりやすい。上層の塊は、最初は85階の西側角(画面右側)付近を支点にして傾くが、1秒を過ぎたあたりから横向きの破断が起こり、回転の中心がもっと上の方に移って上層全体がグルリと回り始めたことが分かる。それにつれて、上層部分の東側(画面右側)の下端が次々と下にめり込むように潰されていく。しかしその割には下層の東側79階以下の部分では破壊が進んでいない。78階の北東角が3秒を過ぎてもまだその場に残っている。

 このWTC第2ビル崩壊開始時点で観察できる事実は多くの不可解さに満ちている。全てを紹介する余裕は無いのだが、その代表的な点を二つだけ取り上げてみたい。

 崩壊が始まって傾きつつある上層部分がその場で、つまり自らの重心を中心にして回転したことは、上層の部分とその下にある部分との間に働く摩擦による抵抗の力が、ほとんど失われていたことを示しているだろう。しかし、そんなことが実際に可能なのだろうか。さらに、その回転が途中で止まり傾き方が一定になってしまったのはどうしてなのか。

(B)なぜ傾いた?なぜ回転した? 【目次に戻る】

 飛行機激突による破壊は81階付近の東面(南東向き)側に偏っており、火災もまたそこで最も激しかった。右の図はNISTによるツインタワー崩壊に関する最終報告書からのもの(第2ビルの断面図:右側が東面、下側が南面)で、78階から83階までの飛行機激突による鉄骨構造の破損具合の推定図である。

 傾いたのは東面側(この図では右側)方向だが、しかし上層部分の重心の位置を考えると、この支柱の損傷が上層部の傾きの原因になったとは思えない。さらには飛行機による損傷をまぬかれた鋼鉄支柱が56分間続いたビル火災の温度で支持力を失うほど弱められたことはありえない。下の図はNISTの報告書からのもので、崩壊開始直前の第2ビル81階にあった鋼材の推定温度を表している。支柱、特にコア支柱が大幅に強度を失う温度(600℃以上)に達したと思われるものはごく少数であり、飛行機による損傷をまぬかれた支柱の大部分がまだ十分な支持力を持っていたはずである。


 NISTはフロアーの鋼材が熱でたわみ、それが外周の支柱を内側に引きこんだために崩壊が始まったと説明する。しかし彼らはそのように推定したコンピューター・シミュレーションのデータを公表していない。つまり何の根拠も示していないのだ。第2ビルについて言えば、彼ら自身が作った推定図ですらフロアーの鋼材がたわむほどに熱せられていたはずの場所は極めて限られている。これでいったいどうやってあの傾きが起こったのか、ほとんど説得力を持ち得ない説明としか言いようがない。

 先ほどの融解した鋼鉄(または鉄)と思われる金属が流れ落ちていたのは、上の図で言えば手前の角付近だ。上層部分の階でコアの支柱が1500℃以上の高熱を発する何らかの手段で溶かされ幅広く破壊されていたのなら、上層部が東面側に向かって傾いたこともうなづけよう。NISTが灼熱の流体について先ほどのようなあからさまなデタラメを言わざるを得ないのは、鋼鉄支柱が溶かされたのかもしれない可能性をよほど認めたくない事情でもあるためだろう。

 ところで、元全米土木学会(ASCE)の重鎮でNISTの学者たちにも大きな影響力を持つズデネック・バザント博士は、2002年に論文“Why Did the World Trade Center Collapse??Simple Analysis ”を著し、ツインタワー崩壊の解説を行った。その論文の中でバザント博士は南タワーについて、次のような模式図を使って説明をしている。 ここで彼は、ツインタワーの支柱がその接続部で簡単に折れ曲がる構造だったことが傾きの原因だったと主張する。


 この説明でバザントは、南タワーの上層部分がその場で、自らの重心を中心にして回転したことを認め、上層部分のすぐ下にある構造がほとんど抵抗力を持たずに変形したことがその回転の原因であると説明する。そして次に、上層部とその下にある部分との間での抵抗が急激に大きくなったために、その回転が止まったという説明を付けている。上層部がその場で回転したこと、そしてその回転が止まったこと自体は、今まで写真で確認した通りの間違いない事実である。しかしここでバザントは明らかな嘘をついている。

 上の図のcとdに見るように、バザントは傾いて回転しその回転を止める間に上層部分の高さが実質的に変化しなかったかのように印象付けている。第1ビルでも第2ビルでも、バザントやNISTの学者たちは「rigid(堅固)」な上層の塊が下層の部分を押しつぶしながら落下したかのように主張するが、実際は下の連続写真で確認できる通りである。

崩壊開始前:白矢印は上層部分の高さを表わす



開始約3.5秒後:上層部分が下から崩壊して短くなっている。また上層部の壁面から多くの爆風の噴出 を見ることができる


開始約4.5秒後:上層部はさらに短くなるが78階北東角の支柱(左の矢印)を見ると、下層部の崩壊が上層部ほどには進んでいないことが分かる

 このシリーズの第2部でも申し上げたことだが、作用があれば必ず反作用がある。上層の塊がビルの下層に対して上から下に力を及ぼすならば、それと同時に、ビルの下層は上層に対して同じ大きさで下から上に力を及ぼす。したがって、上層と下層が外から与えられる力に対して同じくらいの強度を持つのなら、上層と下層は同じ速さで潰れていく。さらに、ビルのような建造物は普通、上から下に向けてかかる力(荷重)を計算しても下から上に向けて力がかかる場合を想定して作られてはいない。むしろ上層の塊の方が下から上に速く崩壊することが容易に理解できるはずだ。

 加えて多くのビデオや写真によって、崩壊開始直後の上層部の様々な箇所から激しい噴出が見られ、ビルの構造の折れ曲がりすら観察できる。つまり上層の塊の内部が最初から激しく破壊されており、下層よりもずっと速く崩壊したのは当然だろう。崩壊初期の様子が多くのビデオで誰にでも確認できることであるにもかかわらず、回転の終わった後で上下方向の崩壊が一気に進んだかのように言うバザントの説明は明らかな虚構だ。

 ここで今までの連続写真とビデオを元に、実際に起こった南タワーの崩壊を模式図でまとめてみよう。


 上層部分が簡単に崩れてしまうほどに内部の構造を弱められていたのなら、摩擦による抵抗の力も弱く、その下にあるビルの部分に乗った形でスルリと滑っていくように回転した理由になるのだろう。バザントやNISTの学者たちには、上層部分の構造がそこまで弱められていたことを絶対に認めたくない特別な理由でもあったのだろうか。

(C)回転が止まった?転がり落ちなかったのはなぜか? 【目次に戻る】

  この上層の塊は東面側に倒れて落ちることがなかった。私の模式図の説明Bにあるように、上層部分の下側から崩れて短くなっていくと同時に、その場で回転運動を続けるのである

 そしてその回転の角速度は徐々に小さくなり、説明のCにあるとおり、ある程度(鉛直方向から30度弱?)傾いたところで、回転が止まるのだ。(右の写真は上の模式図のCからDにかけての事実を記録したもの。)何がこの回転運動を打ち消したのだろうか。この巨大な塊が持っていた角運動量はいったいどこに消えたのだろうか?

 バザントは論文で、下にあるビルの階から受ける抵抗の力で上層部の回転が止まったという説明をしている(バザント図のcとd)。しかしながら、このサイズの物体があくまでもニュートン力学の範囲で運動するものである以上、そんな馬鹿げたことは決して起こり得ない。

 もし、下の部分にあった支柱構造があらかじめ何らかの方法で破壊されていなかったと仮定するならば、バザントに言われるまでもなく、上層の塊の回転運動に対する大きな抵抗があったはずである。崩壊開始のごく初期なら飛行機の衝撃による破損や火災の影響で抵抗が十分に小さくなっていたかもしれないが、上層の塊が回転しながら下にある健全な支柱構造にぶつかり始めると、ずっと大きな抵抗に出くわすことになるだろう。


 力学の原則に従う限り、上層の塊の回転はその下にある階に西向きの力を与え、その反作用として下の階が抵抗による東向きの力を上層に与える。上層の塊が堅固で自らを破壊することがなかったと仮定し、もし下からの抵抗によってその回転が抑えられるというのなら、その反作用は上層の塊の重心を東側に押していくだろう。さらに上の模式図で説明するように、79階より下部の東面側にかかる上からの力は増大する。

 NISTはその最終報告書を補足する形でFAQを2006年に公表したが、その中で彼らは、落下するビルの塊を下の階が止めることができなかった理由について、それが動的荷重に耐えることができなかった点をあげている。もちろんそれはこのシリーズの(1)(2)の中で明らかにされたとおり虚構にすぎない。
 
 もし彼らの言うようにビルの構造が強大なコアの構造を含めて「動的荷重に耐えることができない」というのなら、細型のボックスコラムだけで作られていた外周部など、この上層部分の動きに対してはひとたまりもあるまい(『ツインタワーと第7ビルの基礎データ』でビルの構造を確認せよ)。東面の外周部が大きく崩れていき、上層の塊はビル外側に転がり落ちていただろう。しかし実際にはそのようなことは起きなかった。

 さらに東側と西側で重力のかかり方が大きく異なっていたはずなのに、どうして第2ビルは東側も西側も、同じタイミングで、同じ規模で、同じし方で、東西対称に崩壊したのか?

 こちらのビデオで第2ビル崩壊を確認してほしい。https://www.youtube.com/watch?v=DifdrPTerhE これは南面側(南西方向)上空からの撮影で、右側が東、左側が西となっている。崩壊開始はビデオの時計で56秒前後。光の当たる東面側(右側)がはっきり映っているが、西面側(左側)に広がる粉塵と瓦礫の動きに注目すれば、第2ビルの崩壊が左右対称に進んでいることがよく分かる。また崩壊後のビル周辺では、東側も西側も全く同様に火山の火砕流を思わせるような粉塵の雲が極めて急激に盛り上がった。次の二つのビデオを比べてもらいたい。
    http://www.youtube.com/watch?v=feKlnunLFns
    http://www.youtube.com/watch?v=zhNd48qx684

 飛行機激突や火災以外の原因で第2ビルの内部構造が全面的に弱められ、そのうえで、上層の塊の落下以外の原因でビルが破壊されその瓦礫が水平方向に高速で吹き飛ばされた…、そうとしか言いようがあるまい。その原因が人為的な破壊以外にありうるのだろうか。以上の事実に対してそれ以外の合理的な説明はいまだに登場しない。

 バザントやNISTの学者たちの語る大嘘はさておいても、どうして上層部の回転が止まったのかについては、正直言って私にも分からない。ひょっとすると先ほどの模式図「実際に起こった南タワー崩壊の様子」のB〜Cの段階で、まだ崩れずに残っている上層部の重心が西側に移動して一時的にバランスが取れてしまったのかもしれない。


(9)事実が非現実とされるとき  【目次に戻る】

 第1部第2部、そして今回の第3部で、第1ビル(北タワー)と第2ビルの上層階、そして第7ビルで起こった事実を確認することを通して、この事件について公式に語られ学校の歴史教科書にすら載っている巨大な虚構、21世紀の神話の中心部分を眺めてきた。ここで私が採り上げたものは2001年9月11日の出来事の中でごくわずかなものに過ぎない。公式の説明の中で無視され捻じ曲げられている事実は、WTCビルに関するものでさえ今まで述べてきたことの何十倍も存在する。

 この事件に対する公式の説明を代表するのは「911委員会報告書(9/11 Comission Report)」だ。しかしこれはComission(委員会)ではなくOmission(省略)レポートと呼ばれるべきものである。詳しくはリンク先のページを見てほしいが、明白で確実な証拠となる事実をほとんどことごとく省略して、アメリカ帝国の戦争政策に沿った現代神話の筋書きで話の総てをまとめているのがこの報告書なのだ。その神話の中心部は何の事実も存在しない単なる空洞であり、その周辺が似非科学と三流文学によってそれらしく飾られているだけだ。

 この9・11事件に対する大多数の科学者たちの姿勢は最初から一貫していた。彼らにとって事実に基づいた検証作業はタブーなのだ。
FEMAの委託を受けた学者の中に、たまたま幸運にもジョナサン・バーネットという本来の科学者の精神を持った人がおり、第7ビルの鋼材を調査して硫黄の存在を発見しそれを公表した。彼と同様にNISTの学者たちも資料として残されたわずかのツインタワーの鋼材を調査したのだが、仮にその中に融解した跡を持つものがあったとしても、彼らは見た瞬間にそれを調査の対象から除外しただろう。米国議会の911委員会にとってと同様に、科学者たちにとって、そのような「あるべき筋書き」から外れる事実は無前提に「あるはずのないもの」、つまり「あってはならない事実」である。

 学者には「出すように期待されている結論」が最初にあり、彼らはその結論を導くための研究だけを行う。望まれない結論を導くと予想される事実は、最初から「あってはならない」のであり、たとえ目の前にあっても調べない。そのうえで彼らは「望ましい結論」を導く虚構を練り上げる。それが彼らにとって唯一の現実なのだ。 (福島原発事故と放射能被害に対する日本の学者や医者の態度を見れば私の言うことが大げさではないことがお分かりになるはずだ。)

 太平洋戦争前の日本でこんなことがあったそうだ。考古学者が発掘作業を行った際に、1万年前の地層に出くわすとそこで自動的に作業を止めた。それ以上の発掘で皇国史観に抵触する遺跡に出くわすことを恐れたのだろう。モースによる大森貝塚の発見が無ければ縄文時代の存在すら無視されていたのかもしれない。敗戦後に一人の考古学マニアの手によって旧石器時代の遺跡が発見されたことは、この国のアカデミズムにとって国際的な恥さらしにほかなるまい。しかしそれは日本ばかりではない。世界中のどこででも、学者たちの本性は、ガリレオ以前から現時点までほとんど進歩していないように見える。

 しかし、望まれない事実を現実から追放し望まれる虚構を現実とする態度は学者たちだけの話ではない。より大きな問題はむしろ、国家や社会を構成する多数派の一般の人間たちと、その思考や感情に形を与えてコントロールするマスメディアの方にあるだろう。

 AE911が製作したビデオ映画「9・11:爆破の証拠 ― 専門家は語る (1時間版:日本語字幕付き)」(解説はこちら)の中で、心理学者たちが、なぜ人々は事実を受け入れようとしないのかを説明している(その部分だけを抜粋して取り出したビデオはこちら)。単純な話だ。大部分の人が事実を知ることを望まないからである。それ以外に理由は無い。多数派の人々は望まれない事実を受け入れるよりも望まれる虚構を受け入れる。望まれない事実は人々にとって非現実として意識の中から排除されるのだ。 (日本で、特に福島で、人々の多くが放射能に関する事実にどのような態度をとっているのだろうか。)

 確かに政策担当者たちが虚構の物語を作りマスメディアがそれに沿って世論を操作するのだが、それは、社会の構成員の多数派が望むからこそ受け入れられるのである。その物語に対する疑いは、学者や専門家、マスメディア以上に、多数派の人間たちによって拒絶されるのだ。そしてマスメディアはその表現力と宣伝力を駆使して、何が望ましく何が望まれないのかという明確な形を持った意識を作り上げる。人々はマスメディアの言葉で考えマスメディアの言葉を話す。そして多数派の人々はそれを自分の考えであり自分の言葉であると信じる。自分自身がそのように望んでいるからだ。こうやって上からのファシズムは下からのファシズムと一致していくのだろう。

 9・11事件は、この事実が非現実として排除され虚構が次々と現実を産み出す社会のメカニズムを、見事に浮き彫りにしている。多くの人々が政策担当者の虚構を望み、メディアが形を与えた虚構を受け入れ、その結果として最も望まれない現実がやってきても、その因果関係を過去から学ぶ作業は棄て置かれるいつ全体主義社会が、ファシズム社会がやってくるのか、などと心配する必要はないだろう。ナチス・ドイツや大日本帝国を引き合いに出すまでもあるまい。もうすでに、随分と以前から、目の前にある日本を含む西側の世界が、実際にそうなっているのだから。

(了)

21世紀の虚構の原点 9・11未解決事件 WTCツインタワー上層階の落下が示す真実
第1部 目次)
   
(1)第7ビルの自由落下と溶けた鋼鉄中の硫黄
   (2)ツインタワー:一定の大きさで続く落下加速度
      
(A)ズデネック・バザントの「崩壊理論」(=パイルドライバー説)
      (B)ツインタワーの構造と実際の崩壊のし方
      (C)急激な加減速(ジョルト)は必然的
      (D)ジョルトが全く起こっていない!
   (3)落下加速度はなぜ一定だったのか

第2部 目次)
   (4)似非(えせ)科学:911公式説明の中心に横たわるブラックホール
      
(A)クラッシュ・ダウン、クラッシュ・アップ
      (B)作用と反作用
      (C)公式説明の中心にある似非科学
   (5)突然の崩壊開始が意味すること
   (6)虚構が現実に化けるとき


資料
 
ツインタワー:「飛行機激突の衝撃」と「火災の熱

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